■社員旅行は「ボーナス」
ネット上でも、
《最近の社員旅行は自由時間が多く、高級な食事が無料で楽しめるので、個人的にはボーナスをもらうような感覚で楽しみにしている》
《会社の補助が出て、自分では選ばないような地域文化に触れられるのは悪くない。ただ、土日開催だけは絶対に勘弁してほしいのが本音》
《リモート続きで顔も知らない同僚が増えた。一度くらいはリアルで会っておかないと、仕事の相談もしづらいのは確か》
といった声が聞かれます。
こうした現場の温度感に対し、企業側も「任意参加の徹底」や「平日短時間」を基本線に据え、採用競争力を高めるための戦略的ツールとして活用。特に人手不足が深刻な建設業や運輸業では、定着率向上のために家族同伴を認めるなど、福利厚生の枠組みを広げる動きが顕著になっているようです。
「社員旅行が『今後導入したい項目』で首位となったのは、企業側がこれを形式的な行事としてではなく、明確な意図を持った人材戦略として捉え直したからでしょう。かつてのような一律の団体行動とは異なり、現在は個々のスキルアップを目的とした合宿や、社会貢献を軸に据えた地域交流など、参加の意義を肌で感じられるスタイルが増えています。
長引く物価高や物流コストの上昇により、個人でのレジャーが贅沢品となりつつある今、企業のバックアップで良質な時間を過ごせるメリットは小さくありません。若手や中堅といった世代間の壁を崩し、組織の結束力を高めるための施策として、今後も採用する動きは加速するはず。ただし、強制参加や休日拘束といった昭和の価値観をそのまま持ち込めば、かえって従業員の反感を買い、離職に繋がる火種にもなりかねない点は肝に銘じるべきでしょう」(ビジネス誌ライター)
かつては敬遠された社内行事が企業の新たなアプローチによって、令和の職場にどこまで浸透していくのか、その行方を見守りたいところです。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。