現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。
勝負は蓋を開けてみなければ分からないと言われますが、今季のセ・リーグがまさにそんな感じですね。
開幕前は、ヤクルトをBクラスと予想する解説者がほとんどでしたが、結果は真逆。昨季の5位から大躍進を遂げています。
しかも絶対的主砲の村上宗隆は今季からメジャーに移籍。オフには目立った補強もありませんでした。
ところが、ヤクルトは大方の予想を裏切って開幕ダッシュに成功。
見ているとベンチの雰囲気も明るいですね。この状況を作っているのは現役時代に“ブンブン丸”の愛称で親しまれた池山隆寛新監督と見て間違いないでしょう。開幕前はナインの前で『ラジオ体操の歌』を歌って、選手の緊張をほぐしたと聞きますし、若いチームを上手にまとめています。
私は、こうした指揮官のノリは、良くも悪くも選手に伝染し、チームを変えるのだと思います。
それこそ私の監督時代も嬉しいときは思い切り喜び、悔しいときは思い切り悔しがりました。派手なガッツポーズをベンチの最前列で披露したのも1回や2回ではありません。こうしたパフィーマンスに対してはさんざん批判も受けましたが、今の若い選手を引っ張っていくには、これも一つの方法だと確信しています。