■苦戦が目立つ中日 カギは2年目捕手

 2020年から、ずっとヤクルトの二軍監督をやってきたのも池山監督の強みですね。若手の能力を見極めたうえで、自信を持って起用している。若手もそれに応え、失敗を恐れずプレーしているように見えます。

 それにしても3番にキャッチャーを入れるという打順には驚かされました。2番と4番をつなぐ役割を担わせているようですが、送りバントはさせません。チーム全体でも送りバントは、ほぼなし。今のところ、この攻撃スタイルが功を奏しています。しかし、これがいつまで続けられるか。注目したいところです。

 一方で苦戦が目立つのは中日です。開幕前の評価は高かったんですが、いま一つパッとしません。不調の最大の要因はケガ人の多さ。開幕前から松山晋也、清水達也の中継ぎエースが離脱し、その後もサノー、岡林勇希、福永裕基ら野手陣も主力が相次ぎ、故障で登録抹消されました。

 すでに復帰している選手もいますが、この窮地を残った選手でカバーしていくしかありません。

 野戦病院と化したチームのキーマンを挙げるなら、キャッチャーの石伊雄太でしょう。なんと言っても、魅力は鉄砲肩とバッティングセンスです。

 課題はリード面。まだ2年目で経験不足もあるんでしょうが、どこか自信がなさそうです。同じ球種や同じコースを続けるなど、思い切ってサインを出してほしいですね。

 実は、私もタイガースでレギュラーになる前、野村克也監督から「おまえのリードは無難だ」と繰り返し指摘されました。石伊も今が正念場。相手チームのデータを頭に叩き込んで、試合に臨めるようになってほしい。そうすれば投手陣は豊富な中日だけに、上位進出も見えてくるはずです。

矢野燿大(やの・あきひろ)
1968年12月6日生まれ。90年ドラフト2位で中日ドラゴンズへ入団。97年オフにトレードで阪神タイガースへ移籍すると、正捕手としてチームの躍進を支え2度のリーグ優勝に貢献。