■明らかに看護シーンが不足
散漫な展開が続いていた本作だが、実習編に入っても変わらなかった。りん(見上)は園部(野添)という面倒くさい患者を担当し、直美(上坂)は治療法の改善を求めるなど、医療ドラマの定番展開になって落ち着いて見られるかと思われた。しかし、りんと園部との関係は、園部が“花瓶の水を替えていた”であっさり決着。直美は嘘をついて丸山(若林)の薬を塗る回数を増やしたりと、どうにもエピソードが薄い。
そして、またもや休日になり、りんとシマケン(佐野)の恋愛展開。もちろん、お仕事系朝ドラでも恋愛展開はあってもいい。ただ、ここは実習以外の描写を少なめにして、看護婦としての成長をしっかり見せてほしかった。自分たちが動いて看護婦という仕事を病院に認めさせよう、というところまではよかったのだが……。
朝ドラではヒロインの成長は、物語の軸として描かれるもの。りんと直美が看護婦として成長していないとは言わないが、その成長が感じられる作りになっていない。これでは、支持されないのも当然で、《日本初の看護婦物語ではなかったの? 臨床実習のシーンの薄っぺらな事よ》などと、ツッコまれてもしょうがない。
次週は、和泉侯爵夫人の千佳子(仲間)の乳がんの手術のエピソードを中心に描かれるようだ。りんと直美が千佳子の担当になると思われるが、千佳子の事情や胸中が描かれることで、本筋である2人の成長エピソードが薄くならないか心配だ。(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。