■年金生活者が資産を増やすコツ

――年金暮らしとなった祖父母世代が手元にあるお金を増やすために行なえる有効な投資方法などがあれば教えてください。

「年金生活世代の資産運用では、資産を増やすというよりも、資産を長く持たせるという視点が基本になります。

 その前提として、生活費として必要な資金は預貯金などで確実に確保し、運用に回すお金とは明確に分けて考えることが重要です。

 実務的には、資金を3層に分ける考え方が有効です。第1層は、1~2年分の生活予備費と孫費用の予定額で、これは普通預金や定期預金などすぐ使える安全資金に置く。

 第2層は、使う予定が少し先のお金で、ここは個人向け国債が候補になります。

 第3層は、5年以上使う予定のない余裕資金で、ここだけ新NISAを使って低コストの分散投資を検討する、という形です。

 ただし、制度が有利でも、元本保証がつくわけではありません。したがって、年金生活者が使うなら、毎月少額で、低コストの広く分散された投資信託を長期で積み立てる形が基本であり、個別株への一括投資や、短期売買を狙う使い方は勧めにくいです。年金生活では運用期間にも制約があるため、このような運用は結果として不安定になりやすいと考えられます。

【記事前編】では、年金生活者の田村さんが孫とテーマパークを訪れた際に必要となる金額や休日に孫と無理なく過ごすための方法を宮岡秀峰氏が紹介する。《【前編】はこちらから》

※税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格を持つ宮岡秀峰氏

宮岡秀峰(みやおか・しゅうほう)
公認会計士、税理士、行政書士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)。税理士法人アクシア代表社員、アクシア公認会計士事務所代表。公認会計士として会計・財務の視点から中小企業支援に取り組むほか、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。講演や税務相談の実績も豊富で、会計・税務分野の書籍共著、雑誌寄稿も行なっている。

税理士法人アクシア 公式HP:https://axia.or.jp/