A・ジャッジと本塁打王を争う村上宗隆や、その村上との新人王争いになりそうな岡本和真、サイ・ヤング賞を本気で狙う投手・大谷翔平など、野球の本場を席捲する日本人選手たちが今季勝ち取りそうな栄冠を徹底調査。海の向こうの彼らの活躍に刮目だ!
日本人選手の旗頭でもある“二刀流”大谷翔平(31)は、打者では不振も、投手ではキャリアハイを塗り替えるほどの無双ぶり。
ここまでの先発6試合は、すべての登板で6回を3失点以内に抑えるQS(クオリティスタート)を記録し、防御率も驚異の0点台だ。
「この調子なら、投手では初戴冠となる最優秀防御率、さらにはサイ・ヤング賞も夢じゃない」(スポーツ紙大リーグ担当記者)
実際、先に紹介したMLB公式サイト上での模擬投票でも上位につけている。
「昨季受賞のP・スキーンズ(23/パイレーツ)、N・マクリーン(24/メッツ)に次いで、大谷は3位。“オオタニを、その候補から外すのは愚かだ”との現地記者による評も紹介されていました」(前同)
大リーグ評論家の福島良一氏もこれに同調する。
「本人も規定投球回到達にはこだわりがあるでしょうし、今季は、投手に比重を置いたほうが、本人にもチームにもメリットがある気がします。仮にサイ・ヤング賞受賞となれば、打撃成績が、これまでより見劣りしても4年連続5度目のMVPにも選ばれるはず」
ちなみに、投手専念の試合が増えているのは、むろん負担軽減の意味合いもあるが、一番は他の選手にも出場機会を増やしたい、というチーム事情による。
「不動の正捕手にはW・スミス(31)がいるが、ロバーツ監督とすれば、開幕8試合で7本塁打と大暴れした強打の控え捕手D・ラッシング(25)も使いたい」(大リーグ担当記者)
福島氏は「サイ・ヤング賞を狙うなら、条件的には今季が最も有利」と続ける。
「実際、投手に専念した試合のほうが、球速や投球内容は良化しているというデータもある。5月5日の敵地アストロズ戦では3年ぶりに7回まで投げて、7回以上を2失点以内に抑える“HQS”も記録。奪三振も増えている」
そんな投手・大谷の好調を支えているのが、試合の中でも臨機応変に組み立てを変えられる適応力。
かの地ではベンチにも持ち込み可能なタブレット端末だが、その恩恵を「フルに生かせているのが大谷」だと大リーグ経験者の藪恵壹氏は指摘する。
「ピッチコムのある今は、リアルタイムで更新されていく解析データを見ながら、投球割合を投手主導で変えていける。術後2年以上が経過して肘が万全の状態になったことで、それが高い精度で、できるようになったのも大きいと思う」
藪氏は、球筋の変化にも言及する。
「今季の彼はフォーシーム一つを取っても、カット気味のボールを交えるなど、細かく変化をつけている。それによって生まれるイメージと実際に来るボールとのギャップで、打者が戸惑っているんじゃないかな」