「私、失敗しないので」の決め台詞とともに、女優・米倉涼子(47)扮する天才外科医、大門未知子が数々の難手術に挑むテレビ朝日の医療ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』。

 2012年から7シーズンが制作されており、第6シリーズまでの平均視聴率は驚異の20%超えを誇る国民的ヒットドラマだ。そんなドラマの映画化が決定した、とウェブニュースサイト『NEWSポストセブン』(小学館)が報じたのは4月12日のことだった。

 記事によると、“続編が期待されていたが役柄のイメージが定着するのを嫌がった米倉サイドがシーズン8の制作を固辞。それでもテレ朝の熱心なアプローチに心が動き映画化を決断した”という。

 国民的ドラマの映画化となれば、製作するテレ朝は、クオリティ面でも、そして興行面でも失敗が許されないわけだが、「水面下では大きな動きがある」と言うのはテレ朝関係者だ。

「実は、この映画の配給が東宝さんになるということで、驚きの声が上がっているんです。テレ朝といえば、水谷豊さん(70)が主演し、2000年から放送されている人気シリーズ『相棒』は、ドラマの制作から東映さんが携わってきました。同ドラマは、スピンオフ含めて6作の映画が製作されていますが、そのすべてが当然、東映配給でした。

 また、テレビ朝日で米倉さんが主演し、2008年と2009年に連ドラとして放送された『交渉人 〜THE NEGOTIATOR〜』も、2010年に東映配給で映画化。東映とテレ朝は互いに株を持ち合っていますし、いわば、昵懇の間柄なんですが……」

 内田有紀(47)や遠藤憲一(61)ら脇役も一流俳優ぞろいの『ドクターX』は、テレ朝が誇るドル箱コンテンツ。本来なら、深い関係にある東映配給で映画化されるのが業界の筋と思われるのだが……。舞台裏で何があったのか。

「東宝と東映では売上規模が違いますよね。東宝はTOHOシネマズという映画館を全国に持つ一方で、東映は渋谷TOEIや新宿バルト9など、直営する映画館の数も比較的少ない。ドル箱コンテンツの映画化とあって“絶対に負けられない”テレ朝が、東宝に乗り換えた形、と言えるかもしれません……」(前同)