■共感を呼ぶ「ちょうどいい距離」というテーマ

 みなと(永作)は息子・渚(中沢)との親子の“いい距離感”をつかめるようになり、大江戸(松山)は元妻・澪(土居)とのわだかまりを解消して“いい節目”を迎え、澪は夢を実現するために福岡へ。これで、みなとと大江戸がくっつく障壁は、ほぼなくなり、次からは恋愛パートが始まりそうで、今回のラストで大江戸がみなとを水族館に誘った。

 とはいえ、《急に大江戸先生とみなとの距離が縮まったけど、大江戸先生は元妻の澪とよりを戻して欲しかった。澪が20年間の話をしたシーンはグッとくるものがあった。あれは大江戸先生のここまでのキャラ醸成が成功していたからとてもいいシーンになったと思う》など、今の2人の関係のままが良いという声もある。

 最終的にみなとと大江戸が付き合うといっても、今回、描かれた大江戸と澪の反省を活かして、距離を保ったまま付き合うオチではないだろうか。視聴者はいろいろなことを経験してきた、40~50代の女性がメインと思われる。スナックのママが「子どもが独立して夫が定年退職したら“積極的別居”したい」と語ったような、新たな夫婦関係がさらなる共感を呼びそうだ。

 自立した息子とのちょうどいい関係、お互いを尊重し合う恋愛関係、40~50代の女性の共感を呼びそうなテーマがこれだけそろえられたら、視聴率の数字がいいのも納得だ。50代女性主人公の恋愛という、新たなスタイルを提示した『時すでにおスシ!?』は、火曜ドラマの新たな金脈かもしれない。(ドラマライター・ヤマカワ)

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。