前半戦の山場「セ・パ交流戦」の季節がやってきた。昨季は15年ぶりにパの6球団が上位を独占。かねて指摘されてきた“パ高セ低”を改めて印象づけた。“独り勝ち”がありえる交流戦は、ゲーム差の変動も大きい。両リーグとも潮目が変わる可能性も大いにある正念場だ。そこで今回は、ペナントの行方を左右する交流戦の見どころを本サイトが厳選。識者の見解も交えて、きたる熱戦を展望したい。
まずはセ・リーグ。
“春の珍事”だったはずが今もって首位争いを演じ続けるヤクルトから。
率いる池山隆寛監督が2軍時代から目をかけるチルドレンらの躍動には、その名をもじった“イケイケ打線”なる異名もつくが……。
指導者経験も豊富な伊原春樹氏は、「パ相手でも十分戦える」と、こう話す。
「今のヤクルト打線は、長打を捨ててコンパクトに振ってくる打者ばかり。
例えば、西武の滝澤夏央(22)のようなタイプがそろっている。パに多いパワーピッチャーには、むしろ、そういう嫌らしさこそが強みになる気もするよ」
ただ、5月16日の中日戦で並木秀尊(27)が肉離れを起こすなど、ここへきて、主力に故障者もチラホラ。
コーチ経験もあるOBの野口寿浩氏からは、「このまま若手が池山さんにうまく踊らされているうちはいいが」と、こんな危惧も。
「5月14日に行われた2軍戦ではロッテ相手に0対20と記録的な大敗を喫するなど、選手層がとにかく薄い。
長岡秀樹(24)ら、替えの利かない主力に長期離脱が複数出れば、ガタガタッと一気に落ちる危険もある。最大の敵は、何を置いてもケガでしょうね」
一方、優勝予想の“大本命”阪神は、昨季は交流戦でも本塁打王の主砲・佐藤輝明(27)が、全盛期のバースをも超えかねない勢い。
打率も一時4割を超えるなど、このまま行けば三冠王も現実味を帯びる。
前出の伊原氏も「文句のつけようがない打者になってきた」と言い、さらに、
「これまでは三振の仕方などにもろさも感じたが、今季は違う。その意味でも、彼とパの投手陣の対決は見ものだね。それでも勢いが止まらなければ、バース&掛布雅之とも“同格”と見ていいんじゃないかな」
とはいえ、今季の阪神は投手陣に不安を残す。
すでに4完封と“無双”中の高橋遥人(30)をフル回転させる藤川球児監督の重用ぶりには、球団に近い関係者からも「遥人がコケたら、連覇も危うい」と、不安の声が漏れ聞こえる。
阪神OBでもある前出の野口氏は「リフレッシュのタイミングさえ間違えなければ大丈夫」と、今季の高橋をこう評する。
「彼にとって開幕1軍は今季が初。つまり、キャンプで、みっちり身体を仕上げるということも、これまでは満足にできていなかったわけですよ。
潜在能力はもともとピカイチ。準備さえ万全なら、この結果は順当とさえ思います。そのへんは藤川も、ちゃんと理解はしてるはず」
ちなみに、交流戦もローテが現状通りなら、高橋は火曜日の先発が濃厚。
野口氏がしばしば解説で入る楽天関係者からは、「阪神戦が週末でよかった」との声も上がっている。
「今の彼は、ちょっと異次元。いくら“パ高セ低”でも、そう簡単には打ち崩せない。週の前半に阪神戦がある日本ハム、西武、ソフトバンクは、1敗は覚悟しておくべきでしょう」(前同)