■ソフトバンクよりハムが有利
一方、そんな高橋との対決も楽しみなパ・リーグでは目下、西武が絶好調。
リーグで唯一、チーム防御率2点台をキープする安定した投手力を背景に、5月17日には実に4年ぶりとなる単独首位にも浮上した。
黄金期のコーチ・監督として“西武の頭脳”とも言われた前出の伊原春樹氏は「いい流れが来ている」と、期待とともに、こう続ける。
「渡部聖弥(23)と、戻ってきたネビン(28)が3・4番で固定できたことが大きい。
懸案の抑えにも、ドラ2の岩城颯空(22)がうまくハマった。投打のバランスという部分では、ヤクルト以上に安定感があるんじゃないか。両者が初戦で当たるのも楽しみだね」
他方、識者の多くが“今季も2強”と評した日本ハム&ソフトバンクは、ともに精彩を欠いて苦戦中。
開幕当初は、さすがの強さを発揮した“王者”ソフトバンクもジリジリと落ちて、ついには借金生活のBクラス。今一つ、浮上のきっかけを掴めずにいる。
「セ打者のデータをインプット済みの山本祐大(27)捕手をDeNAから獲得したのは追い風だが、頼みのモイネロ(30)は、ようやく3軍戦で実戦復帰という状態。
仮に彼が間に合っても、スチュアートJr.(26)や徐若熙(25)の誤算で、先発の頭数はまだ足りない。他より選手層が厚いと言っても、現状はかなり、しんどいと思いますよ」(前出の野口寿浩氏)
加えて、ビッグネームがそろう強力打線も、若手扱いの栗原陵矢(29)や柳町達(29)でさえ、すでにアラサーと高齢化が顕著。
昨季はリーグトップだったチーム打率も、今季はここまでワースト争いと、一向に調子は上がらない。
「山川穂高(34)も本塁打は打つが、打率は依然1割台。そうなってくると、打線が若い分だけ、日本ハムのほうが上がり目はある。伊藤大海(28)ら投手陣も、5月以降は持ち直しつつあるからね」(伊原氏)
ただ、その日本ハムも主砲レイエス(30)こそ打率トップの活躍も、“新庄マジック”の象徴とも言うべき郡司裕也(28)には、いまだエンジンがかからず。
開幕直後から記録的なペースで量産した本塁打の陰では、エラーの多さなど守備面での綻びも目立つ。
「他と比べても際立って多い失策が勢いを殺している。
水野達稀(25)&奈良間大己(26)という、いい二遊間コンビがいるんだから、内野はもっと固定すべきだと私は思うよ。素人目にもド下手と分かるカストロ(27)なんて、無理して使うことはないんだよ」(前同)
厳しい専門家の予想を覆すことができるか?
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野口寿浩(のぐち・としひろ)
1971年生まれ、千葉県出身。習志野高時代に高校通算11本塁打を記録し、89年オフにドラフト外でヤクルトスワローズに入団。98年に日本ハムファイターズへ交換トレードで移籍し、監督推薦でオールスターに初選出。99年には正捕手として130試合に出場。翌年には最高打率.298を残し、得点圏打率もリーグトップで、「ビッグバン打線の恐怖の8番」と恐れられた。捕手としても盗塁阻止率.423を記録し、二度目のオールスターゲーム出場。03年にはトレードで阪神タイガースに移籍し、翌年10月4日の広島戦では井川慶とバッテリーを組んでノーヒットノーランを達成した。08年には再取得したFA権を行使し、横浜ベイスターズへ移籍。引退後は、17年にヤクルト2軍バッテリーコーチ、18年は1軍バッテリーコーチを務めた。
伊原春樹(いはら・はるき)
1949年1月18日、広島県甲奴郡上下町(現・府中市)生まれ。北川工高(現・府中東高)から芝浦工大を経て、ドラフト2位で71年西鉄ライオンズに入団し、内野手として活躍。76年から巨人に移籍したが、78年にライオンズ復帰。80年限りで現役を引退し、翌年から99年まで西武で守備走塁コーチなどを務め、黄金時代を築いたチームの名3塁コーチとして勝利に貢献。2000年の阪神コーチ、01年の西武コーチを経て、02年に西武監督就任1年目でリーグ優勝を果たす。04年にはオリックス監督、07年から10年まで巨人ヘッドコーチ。14年の西武監督など歴任し、通算14回のリーグ優勝、7回の日本一を経験している。