■「日本人タレント招待イベント」は復活しつつある

 前述のようにウルトラマンは中国でも大変人気があるキャラクター。中国限定販売のグッズ販売、イベントの開催も珍しい話ではない。

 今年4月5日には、香港最大のショッピングモールであるハーバーシティとBandai Namco Asiaが提携したイベントの一環として、『ウルトラマン』60周年と『ウルトラマンティガ』(1996年/TBS系)30周年を記念した専用テーマゾーンが設けられた。『ティガ』は公式イベントやグッズ展開などで初代ウルトラマンと同格に扱われることも珍しくない、日中共に圧倒的な人気がある作品。同イベントでの写真撮影会も大盛況だった。

 しかし――前述のように日中関係がデリケートな現状で、かつてのように“ウルトラマン俳優”を招いてのイベントは困難だと言われている。

『ウルトラマン』がそんな状況にある一方で、実は中国では今、日本人のタレントを招待してのイベント自体は、一時期に比べれば増えつつあるという。実際のところ、中国には日本人アーティストや俳優のファンが多くいて、現地のプロモーターとしては、“大きな売り上げを見込める”彼らのイベントをやりたくて仕方がないというのがリアルなところのようだ。

 いわゆる“特撮俳優”で言えば、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年/テレビ朝日系、以下同)で主演を務めた小澤亮太(38)は4月11日、上海でファンミーティングを開催。『仮面ライダー龍騎』(02年)主演の須賀貴匡(48)は4月12日、上海で「1日店長イベント」に出演。さらに『仮面ライダーウィザード』(12年)で主演を務めた白石隼也(35)も、4月25日に上海でファンミーティングイベントを開催している。

 ただし、大規模なイベントを行なうこと、そして知名度の高すぎるタレントでイベントを開催することはまだ難しいとも言われている。それこそ、“ウルトラマン俳優の○○が来る!”などと告知しようものなら、政府に目をつけられてイベントが中止に追い込まれるリスクが高いようだ。そのため現地プロモーターは細心の注意を払いつつ、大規模ではないファンミーティングイベントなどを展開しているというのだ。

 そのような状況のため、日中関係が改善しない限り、『ウルトラマン』のイベントに日本人タレントを堂々と呼ぶことは難しいと見られているようだ。

 日中関係が悪化する直前の25年10月には、中国・上海でのイベント『ウルトラマンシリーズ60周年記念展 光を追う旅』の一環として、『ウルトラマンネクサス』(TBS系/04年)完結20周年を記念したファンミーティングを、同作の主演・川久保拓司(44)を招いて開催している。

 現地のウルトラマンファンは、またこういうイベントが開催されることを願っているのではと思われるが……。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。