■忘れがちな“電気の備え”も重要
防災士である瀧波一誠氏は、夏の暑さの危険性をこう指摘する。
「特に近年は地球温暖化の影響から、6〜7月から猛暑となりえます。家の中でも命の危険がありますから、特に高齢者や持病のある方は熱中症予防が優先です」
では、今から、どのような準備をしておけばよいのか。
「まずは熱を入れないこと。遮熱カーテンや窓用遮熱フィルムは賃貸物件にも数千円で導入できます。日中こそ、窓のカーテンを閉めることが必要です。室温の上がり方は、それだけで変わります」(前同)
体を物理的に冷やすグッズも効果的だ。
「手軽に購入できるネッククーラーや、保冷剤をタオルで巻いたもので首や脇の下など太い動脈が通る部位を冷やすと、効率良く体感温度を下げられます」(同)
猛暑とともに怖いのは、ゲリラ豪雨や大型台風による水害。近年、被害リスクが比較的低い地域では、自宅を“持ちこたえられる避難所”にする考え方が広まっている。
「突然の大雨でも玄関先に置いて浸水を防ぐ止水板が人気です。自分で設置できますし、2万円前後で購入できて手軽です」(危機管理アドバイザー)
また、最低3日分の食料、水、簡易トイレは家に常備しておきたい。そして、検討したいのが“電気の備え”。
「500Wh〜1000Whのポータブル電源なら、停電状態でもスマホ充電では数十回、小型家電では数時間〜十数時間、使えます。電源があれば、情報収集はもちろん、生活の質を保つ担保にもなります」(前同)
最後に、前出の瀧波氏が今夏に向けたアドバイスをくれた。
「エルニーニョの強度は、不確実性が大きいですが、有事の前に、地域の危険度や避難先をハザードマップで確認しておきましょう」
備えあれば憂いなし。災害対策は万全に!
瀧波一誠(たきなみ・いっせい)
1978年生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修(自然地理学専攻)卒業後、民間測量会社・IT企業等を経て私立学校教員となり、以後20年以上にわたり中学高校の地理教育に携わる。アジア航測株式会社、その他教育業界や建築業界の企業でSEを務めた後、2024年8月「一般社団法人日本地域地理研究所」を設立し、代表理事に就任。防災士の資格を持つ「戦略地理学者」として、企業・自治体・出版メディアへのアドバイザリーを提供。テレビ朝日系『グッド!モーニング』や『日曜くりぃむ雑学』、NHKEテレ『漢字ふむふむ』等の地理関連コーナーに監修・出演。2026年3月発売の『世界の「なぜ?」がまるわかり!面白すぎる地理の話』(産業編集センター)が、Amazon地理・地学ジャンルでデイリーランキング第1位を獲得した。