高齢化が進む日本社会。内閣府のホームページによると2023年の日本人の平均寿命は女性が87.14歳で男性が81.09歳だ。そんな中、80代の親を50代の子供が介護することも珍しくない。今回は現在、2人の親の介護をしながら、地方都市で公務員として働く坂口雄太さん(54・仮名)のケースを専門家と共に検証する。
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「もう、親の年金だけが頼りです」
現在、山陰地方のある都市で地方公務員として働く坂口さんはこう話す。坂口さんの年収は700万円ほど。月の手取りも40万円を超えている。世間一般と比較すると十分に裕福な生活を送れるはずの坂口さん。そんな坂口さんに現在、なにが起こっているのか。
「二世帯住宅で暮らしているのですが、親は2人とも要介護。父は5段階ある中で最初の段階となる要介護1ですので、在宅介護を行なっています。一方で母は物忘れなども激しくなり、現在は上から2番目となる要介護4。介護施設での生活を余儀なくされています」
坂口さんが在宅介護を行なう父のために必要となる費用は月5万円、施設で暮らす母には毎月17万円の費用が必要になる。これらの費用は現在、2人が受け取る年金からねん出しているという。
「父が受け取る年金は月約18万円、専業主婦だった母はおよそ6万円です。父が母よりも先に亡くなった場合、母の介護施設利用料は年金だけで賄えなくなってしまう。そうなると施設利用料として足りない11万円を毎月自分の貯金から支払う必要があるんです」
大阪の有名私立大学に進学中だという次女には年間130万円の授業料とは別に家賃を含め月10万円の仕送りが必要だ。
「もし、父が母より先に他界したら娘への仕送りと母の介護施設利用料だけで月に20万円以上、年間で380万円以上が最低必要です。15年前に建てた一軒家も住宅ローンの支払いも月におよそ11万円ある。これ以上の出費は押さえたいというのが本音です。本当に親の年金が頼りなんです」
介護生活と娘への仕送りで悩みが尽きないという坂口さん。十分な経済的基盤があろうとも苦労する介護の現実を、税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)を持つ宮岡秀峰氏が解説する。