■含み益があれば安心とは限らない!? 【CFPが解説】

――副島さんの場合、4000万円の含み益がマンション購入により発生しています。この状況でも繰り上げ返済を考える必要はありますか。

 含み益が大きいこと自体は非常に強い材料です。ただし、含み益は安心材料ではあっても、毎月返済に充てられる現金ではありません。 売却しない限り手元資金にはならず、売れば仲介手数料や引っ越し費用、新たな住居費も発生します。ですから、含み益があるからといって、今すぐ娘さんのために貯めた教育資金400万円を繰り上げ返済に充てる理由にはなりません。

――今後、住宅ローン金利は上昇すると考えられています。金利が上昇する局面で気を付けるべきポイントはありますか。

 一番大事なのは、返済額だけでなく、契約条件の中身を確認することです。変動金利型の元利均等返済では、金融機関によっては「5年ルール」「125%ルール」があります。これは、金利が上がっても返済額の見直しを5年ごとに抑えたり、見直し後の返済額上昇を前回の125%までに制限したりする仕組みです。

 ただし、ここで安心しすぎてはいけません。5年ルールや125%ルールは返済額の急上昇を抑える仕組みではあっても、利息の増加そのものを消してくれる仕組みではないからです。金利上昇時には返済額の中で利息割合が増え、場合によっては未払利息が生じ、返済期間終了後に一括返済が必要になる可能性があります。

【記事前編】では住宅ローン金利が上昇している局面で繰り上げ返済を行うのが有効なケースとそうでないケースをCFP宮岡秀峰氏が解説する。《【前編】はこちらから》

※税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格を持つ宮岡秀峰氏

宮岡秀峰(みやおか・しゅうほう)
公認会計士、税理士、行政書士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)。税理士法人アクシア代表社員、アクシア公認会計士事務所代表。公認会計士として会計・財務の視点から中小企業支援に取り組むほか、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。講演や税務相談の実績も豊富で、会計・税務分野の書籍共著、雑誌寄稿も行なっている。

税理士法人アクシア 公式HP:https://axia.or.jp/