■今回は同居を継続も…ケースによっては「親子のどちらかが一時的に隔離されることも」
──今回、長女は「父とはすでに仲直りをしております」とのコメントを発表していますが、家庭内暴力事件の場合、施設などで親子が隔離されることもありえるのでしょうか。
「家庭内の暴行事件では、その後に親子のどちらかが一時的に隔離されることもあります。ただし、すべてのケースで施設入所や別居等になるわけではありません。隔離についての判断では、暴行等の程度、けがの有無、過去の反復性、被害者の年齢や意思、同居家族による見守りの可否、加害者の反省状況などが重視されます。
一回限りで軽微、本人も同居を希望し、再発防止策が取れるといった場合には同居継続もあり得ます。他方、首を絞める、物を使う、暴力が繰り返されている、被害者が加害者の帰宅を恐れている場合などには、保護のためどちらかの隔離が検討されやすくなります」
──家族に対する暴行は、他人への暴行と比べて事件化されにくい、起訴や量刑が比較的軽くなるといったケースもあるのでしょうか。
「親子間だからといって、暴行が犯罪にならないわけではありません。逮捕や刑事処分の判断でも、親子関係それ自体が免罪符になることはありません。ただし、家族関係、被害者の処罰感情、同居継続の有無、謝罪や再発防止策は、逮捕・勾留の判断や量刑の中で考慮されることがあります」
──かつての日本では、子どもに手を出すことも“しつけ”の一部とされる風潮がありました。現在でも、家庭内での暴行は警察等に相談しても相手にされないケースがあるのでしょうか。
「かつては家庭内の問題やしつけとして警察介入が慎重だった時期もありましたが、現在は児童虐待やDVへの理解が進み、家庭内であることがむしろ密室性や継続性のリスクとして重視されます。家庭だから軽い、という時代ではなくなっています」
親側がしつけや体罰ととらえていても、“家庭内での暴行”として事件化するケースはあり得るようだ。
●プロフィール
正木絢生(まさき・けんしょう)弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。第二東京弁護士会所属。消費者トラブルや交通事故・労働問題・相続・詐欺事件・薬物事件など民事事件から刑事事件まで幅広く多数手掛ける。
BAYFM『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などメディア出演も多数。YouTubeの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、ユア・エース公式チャンネル「ちょっと気になる法律相談」では知っておきたい法律知識を配信中。
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