中東情勢の緊迫化や戦争の長期化で、原油価格の高騰が暮らしを直撃している今、深刻な問題となっているのがナフサ不足である。

「ナフサは原油の精製段階で得られる液体で、プラスチック製品など石油化学製品の原料となる、現代では欠かせない石油製品の一つです。その不足から、ナフサ由来の化学製品は早ければ6月末には供給不足が生じる可能性があるといわれていて、2026年5月の時点でも、前年同月比で49.24%増と、5割ほど高騰している状態です」(経済誌記者)

 そこで改めて存在感を増しているのがリサイクルだ。中でもナフサ不足で深刻な打撃を受けるといわれているペットボトルは、素材が比較的単一で再利用しやすく、家庭での分別や回収の仕組みも定着していることから、“リサイクル界の優等生”とも言われているのだが、ここで多くの人が感じている素朴な疑問がある。それが、

「同じプラスチックなのに、わざわざボトル本体、キャップ、ラベルに分けなければならないのか?」

 ということだ。

 そんな疑問を解消すべく、「PETボトルリサイクル推進協議会」の浅野正彦事務局長に話を聞いてみた。

「ペットボトル本体とキャップ、ラベルは同じプラスチックに見えても、実は材質が違うんです。異なる素材が混ざるとリサイクルした際の再生品の品質にも影響します」

 ペットボトル本体の素材「ポリエチレンテレフタレート」というポリエステルの一種。

“P”oly“E”thylene “T”erephthalateの頭文字をとって「PET(ペット)」と呼ばれている。一方、キャップやラベルには、「ポリエチレン」や「ポリプロピレン」という別素材が使われているため、リサイクルの際は分ける必要があるのだそうだ。

 実はリサイクル工程の中で分ける方法も、なくはない。

「水との比重の関係で、PETは水に沈み、ポリエチレンやポリプロピレンは水に浮く。この性質を利用して分けることもできます。キャップを外した後に残るネックリングまで外さなくてもいいのは、これを利用しているからです。そこまでお願いしてしまうと、消費者の方の負担になりますし、外そうとしてケガをする恐れもありますので」

 だが、それが大量だと作業工程が増えて時間もコストもかかるため、再生品の価格も上がってしまう。そのため、消費者に分別を協力しもらっているのだそうだ。