現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。
現代野球では、ブルペン陣の働きがチームの安定感に直結します。僅差のリードを守り切るうえでも、終盤の逆転劇をものにするうえでも、ブルペンは戦術の拠点といっていいでしょう。
古い話になりますが、岡田監督の第1次政権時代、2005年にタイガースがリーグ優勝をしたときのブルペン陣は超強力でした。とにかく「JFK」の存在感が際立っていた。
ジェフ・ウィリアムス(J)、藤川球児(F)、久保田智之(K)の3人が、ゲームの終盤をピシャリと抑えてくれるので、首脳陣は計算が立ちます。
当時、マスクを被っていた私は「JFKにつなげば、必ず勝てる」と信じていたし、相手チームも「JFKが出てくる前にリードしておかなければ勝てない」と覚悟していたはずです。それほど頼りになりました。
ちなみに、この年のタイガースは87勝していますが、6回までにリードしたときに限れば、71勝3敗2分。JFKが「リリーフ革命」と評価されたのも当然だと思います。
リーグ優勝を果たした昨年もタイガースのブルペン陣は強力でした。湯浅京己、桐敷拓馬、及川雅貴、石井大智といった左右の中継ぎが試合の中盤から終盤をつなぎ、抑えの岩崎優にバトンを渡す。勝利の方程式が確立されていました。