■シーズンは開幕直後 勝利の方程式確立へ
藤川監督はブルペン陣も先発ローテーション投手と同様に、各投手のコンディショニングに十分配慮しながらマネジメント。3連投はできるだけ避け、調子が落ちてきたピッチャーは休養も兼ねて入れ替えを行うなど、細心の注意を払って起用しています。
そんな中で、驚異の成績を残したのがセットアッパーの石井です。53試合に登板し、37ホールドポイント(1勝9セーブ、36ホールド)、防御率0.17。50試合連続無失点という日本記録をマーク。まさにMVP級の活躍でした。
しかし、今季はその石井がキャンプ中に左アキレス腱断裂という怪我で離脱。石井の穴を代役が埋めるのではなく、ブルペン陣全員で埋めていく。投手層の厚いタイガースならそれができると思っていました。
ところが、現状では抑えの岩崎をはじめ、中継ぎ陣がピリッとしません。しかし、シーズンはまだ始まったばかり。勝負はオールスター開けからです。
私が中継ぎのキーマンと考えるのは、左腕の桐敷です。新人時代には先発もしていましたが、23年の後半戦からはリリーフに完全転向。翌年には70試合に登板。40ホールドをマークしました。
桐敷の最大の魅力は、左の強打者のインサイドに威力のあるボールを思い切って突っ込めるところです。
昨年は勤続疲労もあって13ホールドにとどまりました。今季もまだ完全復調とはいえず、救援失敗が続いています。
しかし、桐敷はタイガースのブルペンには欠かせない男です。7回、8回をビシッと抑え、岩崎やドリスにバトンを渡せる勝ちパターンが確立されれば、タイガースの連覇はグンと近づくはずです。
矢野燿大(やの・あきひろ)
1968年12月6日生まれ。90年ドラフト2位で中日ドラゴンズへ入団。97年オフにトレードで阪神タイガースへ移籍すると、正捕手としてチームの躍進を支え2度のリーグ優勝に貢献。