貴乃花と養老孟司氏の特別対談最終回。伝説の名横綱、双葉山と養老氏の知られざる接点から、これからの日本の課題まで話は広がる。
養老孟司氏(以下=養老) 僕は子供の頃に、双葉山に会いましたよ。叔父が(双葉山が創設した)時津風部屋のタニマチでした。
僕が子供の時代は、ラジオしかありませんでしたけど、叔父に連れて行ってもらって、相撲を見に行ったこともあります。
貴乃花 双葉山さんは、実は、そこまで体は大きくないんですよね?
養老 そうそう。今の、翔猿とか。少し前だと舞の海といった小兵力士もいましたけど。栃若時代だと、若ノ海という力士がいて強かったなと覚えてます。
貴乃花 双葉山さんは56歳で、早くして亡くなられているので、先生がお会いしたことがあるというのは、すごいことですよ。実際にお会いしたことがある人は、今や、ほとんどいないじゃないですか。
養老 そりゃそうですよ(笑)、もう、ずいぶん前ですから。
貴乃花 双葉山さんって、大分県宇佐市の出身で、そこには八幡社の総本山である『宇佐神宮』(大分県)があるじゃないですか。
しかも、宇佐神宮で祀られている八幡大神は勝負の神様として知られています。そんな地で、69連勝の双葉山さんが生まれ育っているというのは、目に見えないつながりを感じます。
養老 僕が住んでいる鎌倉にも、『鶴岡八幡宮』(神奈川県)がありますから。
貴乃花 本当ですね。鎌倉では散策もよくされるんですか。
養老 自然と外に行きたくなります。朝、目が覚めると腰が痛くて、今日は外に出たくないなと思うんですけど、いい天気だと、やっぱり外に行ってみようかなと、それで散歩をしてみる。昆虫採集をするために鎌倉の山には、よく行きますよ。