一昨年の夏に大学を卒業してから働いてきたという自動車部品メーカーを早期退職した工藤浩二さん(57・仮名)。割増しされた退職金を受け取ったことで老後の生活に不安はない。そこで、退職後は子どもの頃からの夢だったというスポーツ雑誌編集の仕事に業務委託で携わっているという。そんな工藤さんが抱える問題をお金のプロと共に検証する。
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「工藤さん、確定申告しましたか?」
先日、会社で昼食を食べている際に同僚からこう声をかけられたという。大学を卒業してからというもの長年サラリーマンとして働いてきた工藤さん。そのため、個人事業主や副収入がある会社員が行う確定申告とは無縁な生活を送ってきた。
そんな工藤さんは一昨年の夏に社内で募集が行われた早期退職制度に応募。その後、求人サイトで募集が行なわれていたスポーツ雑誌編集の職に応募。昨年の1月から業務委託編集者として働いているという。
人生で初めてフリーランスとして働くことになった工藤さんは、同僚からの“ひと言”をきっかけに自身が納税していないことに気がついたという。
「契約書に書かれた編集部からの1か月の業務委託料は税込み38万5000円。ただし、毎月会社から私の口座に振り込まれている金額は34万5692円です。この差額が納税額だとばかり思っていたのですが、どうやらそうではなかったみたいなんです」
この差額は源泉徴収税額と呼ばれるもので、所得税と復興特別所得税の2つで構成されたものだ。本来であれば自分が暮らす自治体に支払うべき住民税や国民健康保険料は含まれていない。現在、フリーランスとして働いている以上、工藤さんは確定申告書を作成し3月16日までに最寄りの税務署に必要書類を提出するか、ウェブ上で電子申告を行なう必要があったのだ。
サラリーマン時代とは異なる税金とのつき合い方。確定申告期限を過ぎてしまった今、工藤さんはどのように対処するべきなのか。税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)を持つ宮岡秀峰氏が解説する。