■経費として申請できる項目を【CFPが解説】
──確定申告を行わなかった場合、健康保険料や住民税は納めなくても良いのでしょうか。その場合、病気になってしまい病院を受診したら10割負担をする必要があるのでしょうか。
確定申告をしなかったからといって、住民税や国民健康保険料を納めなくてよくなるわけではありません。住民税申告がない場合、自治体では国民健康保険税等を正しく算定できなかったり、所得証明書や課税・非課税証明書が発行できなかったりすることがあります。
なお、確定申告をしていないこと自体が、直ちに病院で10割負担になる理由ではありません。退職後は「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険の被扶養者」のいずれかに加入する手続きが必要で、適切に加入していれば通常は所定の自己負担割合で受診できます。
──確定申告を行う場合に経費として申請できる項目にはどのようなものがありますか。
必要経費にできるのは、原則として収入を得るために直接必要だった費用と、その年に生じた業務上の費用です。
工藤さんのような編集業務であれば、一般的には取材交通費、宿泊費、通信費、資料として購入した書籍・雑誌、パソコンや周辺機器、ソフト利用料、クラウドサービス代、外注費などが経費の候補になります。これらは「仕事のために必要だった」と説明でき、領収書や記録が残っていることが重要です。
ただし、スーツやネクタイのように私生活でも使える支出は、業務用と私用の線引きが難しく、原則として経費にはなりません。
【記事前編】では、確定申告は期日後も行うことができるのかや確定申告を行わないことで課される罰則をCFP・宮岡秀峰氏が解説する。《【記事前編】はこちらから》
宮岡秀峰(みやおか・しゅうほう)
公認会計士、税理士、行政書士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)。税理士法人アクシア代表社員、アクシア公認会計士事務所代表。公認会計士として会計・財務の視点から中小企業支援に取り組むほか、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。講演や税務相談の実績も豊富で、会計・税務分野の書籍共著、雑誌寄稿も行なっている。
税理士法人アクシア 公式HP:https://axia.or.jp/