■夏ドラマに各局が力を入れるようになった背景

【火曜】

今田美桜(29)主演、テレビ朝日系火9ドラマ『クロスロード 〜救命救急の約束〜』

 本格医療ドラマと青春群像劇が融合した、青くて熱い正義が交差する《クロス医療ドラマ》。同作には米倉涼子(50)主演の『ドクターX』(2012年~2024年/テレビ朝日系)と鈴木亮平(43)主演の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(21年~/TBS系)――劇場版も大ヒットした医療ドラマ2作品のスタッフが集結した作品という宣伝文句もあることから、テレ朝の意気込みがうかがえる。

松本若菜(42)主演、TBS系火曜ドラマ『君の好きは無敵』(火曜夜10時~)

 日本が世界に誇る“かわいい文化” を生み出し続けるキャラクタービジネス業界を舞台にした、ポジティブ&パワフルラブコメディ。松本のお相手役は、今をときめくM!LK佐野勇斗(28)。さらに、松本主演で人気を博した同枠ドラマ『西園寺さんは家事をしない』(24年7月期)のスタッフの制作チームが再集結すること、「サンリオ」が取材協力していることも注目されている。

【木曜】

趣里(35)主演、テレビ朝日系木曜ドラマ『大空港~GATE24~』(夜9時~)

 国の境界線=ボーダーとなる空港を舞台に、趣里演じる鋭い観察眼を持つ税関職員ほか個性豊かなチームが“最強の門番”として、日本の平和と安全を守るために奮闘する痛快エンターテインメント。

『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)の特集や『THE突破ファイル』(前同)の再現ドラマもそうだが、“税関職員と密輸ほか犯罪者との攻防”というのは人気のあるジャンル。趣里の父親はテレ朝の看板作品『相棒』で主演の水谷豊(73)のため、その意味でも注目されている。

【金曜】

蒼井優(40)主演、TBS系金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』(夜10時~)

silent』(フジテレビ系/22年10月期)などで知られる脚本家・生方美久氏の最新作であり、2組の夫婦の、喪失から始まる“愛”と“秘密”の物語。

 蒼井にとって18年ぶりの地上波連ドラ主演作であり、人気俳優・中島歩(37)と高橋文哉(25)の出演も発表済み。公式ビジュアルの意味深な空白から、あと2人メインキャストの発表が控えていると見られている。

【土曜】

SixTONES松村北斗(30)主演、日本テレビ系土曜ドラマ『告白-25年目の秘密-』(夜9時~)

 25年もの間、ある女性に片思いを続ける男性が主人公のラブサスペンス。大人気グループ・SixTONESの松村は俳優としても大人気だが、今回が初の単独主演連続ドラマということもあり、注目を集めている。

 ※ ※ ※

 そんな話題作が目白押しの7月期ドラマには、

《何か7月期めっちゃ豪華ちゃう? めっちゃ楽しみなん多いって!》
《7月期は豪華俳優だな。反町さんのGTO season2、GACKTさんのブラックトリックとその他もろもろあるけど》
《夏ドラマの豪華さ私でも分かる、絶対やばいクールだろ》

 といった、ドラマファンからの期待の声が多く寄せられている。

 なぜ、26年7月期には、ここまで各局の肝いり作品が揃っているのか――前出の芸能プロ関係者いわく、その理由の1つには「気候の変化」があるようだ。

「ひと昔前は、夏ドラマは数字がなかなか取れないと言われていたんです。それは、夏の夜は外に飲みに行ったり、家族で旅行したりと、あまり人が家のテレビの前にいなかったから。

 ところが、近年の夏は35~40度超えも珍しくない相当厳しい暑さですよね。コロナ禍以降のライフスタイルの変化と猛暑で、仕事を終えると真っ直ぐ家に帰る人も増えたようです。テレビ局サイドはそういう変化を意識して、夏ドラマに力を入れるようになっているのかもしれません」

 さらに、こう続ける。

「6月11日からサッカーの祭典・ワールドカップが始まりますよね(終了は7月19日)。日本代表戦は6月15日早朝の対オランダ戦を皮切りに始まります。サッカーのワールドカップはオリンピック以上の影響力を誇り、メディアの報道、世間の話題がW杯一色になってしまうため、その間、連ドラはワールドカップに食われてしまう恐れも。4月期ドラマでは終盤が影響を受ける作品もあるでしょうし、7月期ドラマも7月後半からのスタートになる作品もあるようです。

 実際、大きなスポーツイベントは非常に強くて、今年の1月期ドラマは、開催された『ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック』の影響をかなり受けたと言われています。ワールドカップは冬季五輪以上のパワーを持っているので……ドラマ関係者は、ぶつかりたくないというのが本音でしょうね」

 ドラマライターのヤマカワ氏は4月期ドラマを振り返りつつ、こう期待を寄せる。

「春ドラマは、脚本家だと『船を編む』(NHK)の蛭田直美氏が『銀河の一票』(フジテレビ系)、プロデューサーだと『アンナチュラル』などの新井順子氏が『田鎖ブラザーズ』(ともにTBS系)などと、スタッフ側に期待をさせる名前が多かったですが、視聴率、配信は全体的に微妙な感じでしたね。

 もっとキャスティング面でも、視聴者を惹きつけてほしかったですが……その点、夏ドラマは、『VIVANT』はもちろんのこと、火曜ドラマに戻ってきた松本若菜さんの『君の好きは無敵』や、今田美桜さんが医師役で初めて主演する『クロスロード ~救命救急の約束~』(テレビ朝日系)など、数字を持っている演者が揃っていて、ラインナップを見ただけでワクワクしますね」

 エアコンの効いた涼しい部屋で、各局が気合いを入れて制作している夏ドラマを――そんな光景が今夏、各家庭で繰り広げられるのかも。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり多部未華子佐藤二朗綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。