ある日突然、平穏な日常がぶち壊される不条理。栃木県で起きた強盗殺人事件の実行犯は高校生たちだった──。日本の「安全神話」は完全に崩壊。獣のごとく襲いかかる犯罪者の魔の手から自分と家族を守るため、専門家のアドバイスに従って今すぐに実践すべき防犯対策を紹介する。

 「侵入者が嫌がる環境作り」とはどんなものか。

 5月14日に栃木の民家を4人の暴漢が襲った事件では、被害者宅の愛犬まで殺されていた。番犬よりも効果がある、防犯対策とは何だろうか。

 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。

「彼らが嫌がるのは“目・光・音・時間”の4つです。目は人の目や防犯カメラ、光はセンサーライト、音は防犯砂利やブザーなどです。加えて、近年は犯人に時間を稼がせることも重視されています」

 時間を稼ぐ手として有効なのが、窓ガラスの強化だ。

「ベストは強化ガラスに張り替えることです。ただ、ヘタしたら1枚10万円ほどかかるので、1階のリビングだけなど、侵入されやすい窓だけ交換してもいい。また、窓ガラスに貼る防犯フィルムなら1000円台から買えて、有益です。

 あとは窓の補助錠。これは窓枠の下ではなく、犯人の手が届きにくい上部に付けたほうが効果的」(前同)

 それでも、もし室内で犯人と対峙してしまったら……。セキュリティ組織『BONDS』の伊勢野寿一代表は、こうアドバイスする。

「大前提として、むやみに戦わないことです。その状況の中で何がベストな選択なのかは、臨機応変に考える必要があります。勝手口から逃げられるなら逃げるべきだし、犯人から離れて110番できそうなら、警察に連絡を入れたほうがいいです」

 いざ、強盗犯を目の前にしたら、多くの人が恐怖で固まってしまうはずだ。

「いきなり知らない覆面男に襲われたら、誰でも普通はパニックになります。仮に金属バットなどの道具があったとしても、突然の極限状態で、それを冷静に使うことは難しい」(前同)

 強盗犯に対しては、武器を持って対抗しないのが大前提。命を守る万全の準備をしたうえで、最後の備えとして用意しておくならば、特殊警棒がいいだろう。

「ナイフや包丁だと、相手に奪われて逆に命を落とすリスクがあります。その点、警棒は相手に奪われにくいし、振り回しながら“助けてくれ!”と大声を出せば効果的で、時間稼ぎにもなる。ただ、外に持ち出すと軽犯罪法で捕まる可能性があるので要注意です」(同)