今年も、財布に厳しい酷暑の夏になりそうだ。気象庁の3か月予報では、6〜8月の平均気温は全国的に平年より高い見込み。そんなエアコンが欠かせない夏本番を前に、今すべき準備がある。
「夏を迎える前に、一度エアコンを試運転させてください。エアコンがちゃんと効くのか、カビ臭い匂いがしないか、異音がしないかを確認します。もし、暑くなってから問題が発覚すると、修理や買い替えを検討する人が多くなります。そうなれば、修理依頼から2週間待ちということも珍しくありません。汚れがひどい場合も、早めに業者にクリーニングを依頼したほうがいいでしょう」
こう話すのは、節約アドバイザーの丸山晴美氏だ。暑いのにエアコンが使えないという最悪の事態を避けるためにも、今のうちにチェックをしておこう。
さらに、梅雨入りが始まるこの時期、気をつけたいのがカビの発生だ。試運転の時点でカビ臭くなかったとしても、安心はできないという。
「冷房使用時は、常にカビが発生する可能性があると思っていてください。エアコンは、冷房運転をしながら除湿しているため、エアコン自体に湿気が溜まります。特に日本の夏は高温多湿のため、よりカビが繁殖しやすい環境です」(前同)
カビは、ただ不快な臭いを撒き散らすだけではない。エアコン内部にカビが繁殖すると、空気の通りが悪くなり、冷房効率の低下につながる可能性もある。節電を意識するためにも、カビ対策はしておきたい。
「カビ対策には、エアコン使用後の内部乾燥が重要です。冷房使用後に、送風運転で内部乾燥をさせるといいでしょう。1〜2時間の送風運転をすることで、内部の結露を完全に乾かし、高温多湿状態を避けることができます」(同)
さらに節電を意識するなら、まずは基本を押さえておきたい。
「一番手っ取り早い節電方法は、設定温度を上げることです。経済産業省資源エネルギー庁のデータによると、『エアコンの設定温度を27度から28度に1度上げた場合、ひと夏で約940円の節約になる』となっています」(同)
同データは、1日9時間利用、冷房期間 3.6か月(6月2日〜9月21日)として算出された金額だ。ただ、コロナ禍以降、在宅勤務者も増えたため、エアコンを付けっぱなしにする人も珍しくない。ペットや赤ちゃんがいる世帯ともなれば、なおさらだろう。また、近年の暑さは早く始まるだけでなく、終わりも長い傾向にある。10月末でもまだ半袖で過ごす日があるくらいだ。
これらを踏まえて、寝室、リビング、子供部屋の3部屋でエアコンを24時間使用したと仮定し、期間を6月2日〜10月21日までとすると、データをもとに計算すると、約9534円の節約になる。つまり、設定温度をたった1度変えるだけで、1万円近くも差が出るのだ。
とはいえ、これだけの長時間使用ともなれば、他にも節電対策を実施したい。家電事情に詳しいライターが話す。
「風量は“自動”に設定してください。節電効果を意識して“弱”にする方がいますが、弱では部屋が冷えるまでに時間がかかるため、かえって電力消費が増えてしまいます」
冷たい空気の特性を利用した節電方法もある。
「冷房使用時の風向きは、水平にしてください。冷たい空気は下にたまりやすいので、冷房の風を下向きにしすぎると、部屋全体に冷気が回りにくくなってしまいます」(前同)
エアコン本体の設定以外にも、節電術はある。丸山氏は、最も重要な対策に“窓”を挙げる。
「夏は、窓からかなり熱が入ってきます。せっかく冷やした空気も窓を通って逃げてしまうため、遮熱・遮光カーテンや遮熱シートの使用がおすすめです。また、屋外側によしずを垂らす方法も効果的です」
見落としてしまいがちだが、室外機の設置状況もエアコンの機能を左右するという。
「室外機の周りに物を置くのも避けましょう。ものがあると熱がこもってエアコンが冷えにくくなります。また、室外機を直射日光から避けることも重要です。室外機に対しても日陰を作ってあげるといいでしょう」(前同)