■ワクワクが続かない『豊臣兄弟!』
たしかに、半兵衛を演じる菅田将暉の変顔、仲野太賀(小一郎)と中野英雄(太田垣)の親子共演など、面白さ重視の演出はハマり、各エピソードは粒立ってはいた。だが、そこに至る経緯をすっ飛ばしたり、簡単なセリフで終わらせたりするため、それぞれのつながりが見えてこなかったところはある。
戦国、歴史ものは時代の人物や出来事など、それぞれがつながり、影響しあって見えるからこそ盛り上がるのだが、本作は面白さを重視しているのか、単発でエピソードを見せている。そのため、盛り上がりもその場限りで終わってしまうのだ。視聴率が伸び悩んでいるのは、そこに原因があるのかもしれない。
特に影響が大きかったと思われるのが、織田信長(小栗旬/43)への敵対心から、工作を続けているはずの足利義昭(尾上右近/34)を退場させたことではないか。この先の播磨でのゴタゴタ、荒木(松本)の謀反も、毛利側と義昭のいろんな思惑があってのこと。そこがなくては、この先の西国攻めも盛り上がらないだろう。
さらにいえば、毛利攻めからの本能寺の変への流れが、本作前半のクライマックスのはず。そこに向けての助走が足りない現状では、不安ばかり感じてしまう。史実改変は魅力的なドラマを作るのに必要なことだが、ここ数週は、それをやりすぎているように思える。(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。