■体の不調は我慢してしまう

 俺たち老Guyが状況を整理してから伝えようとするのは、自分の体調だ。できるだけ我慢して仕事しちゃう。どうにもならなくなったら、ようやく相談する。

 若い世代は体調を崩すと、すぐに報告してくる。老若で、この逆転は面白い。むろん手遅れになるよりは早いほうがいいに決まっている。

 あとは、しくじったときの対応だ。俺が軍団の兄さんたちの付き人だったとき、草野球に寝坊した。髪の毛をバリカンで刈りながら、「おはようございます!」と球場に入ったからね。それも今では“過剰適応”と言われちゃうだろうけど。

 そのまんま東さんが、ある一件で、しくじって行方をくらませていたことがあってね。その頃、殿は音楽活動が活発でコンサートに親衛隊がいたんだけど、その親衛隊に紛れて一番前で東さんが殿に声援を送ってたの。さすがに殿も笑ってしまったから許したって。

 どっちも面白さがすべての芸人っぽいシャレだ。一般社会の仕事にもつながる前向きなリカバリーの方法ってあると思うんだけどね。

 俺の知り合いの社長がさ、若い社員に何を言っても通じねえから、1週間の目標と仕事の流れを書き出せと指示したんだって。最初のうちはその通りに動くんだ。でも、それ自体がルーティンになっちゃうとやらなくなるんだって。玄関に「携帯・鍵・財布」という紙を貼ると最初は見るけど、その紙に慣れちゃうと平気で携帯を忘れるのと一緒だね。

 組織なら、ある程度の規律は必要。規律がなくなったら、どうなっちゃうの?

「朝礼」がパワハラ扱いになって久しい。もちろん、しくじった社員を吊るし上げるのはダメだけど、案外、重要だったんじゃないかと思うよ。

玉ちゃん(たまちゃん)
1967年生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入りし、翌年、水道橋博士と浅草キッドを結成。一般社団法人全日本スナック連盟会長。