日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。6月14日の宝塚記念ではメイショウタバルに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年6月8日に寄稿されたものです)
すべてのホースマンが憧れる夢の舞台。2023年に生まれたサラブレッド7944頭の頂点を決める第93回日本ダービーを制したのは、ワールドプレミアを父に持つ皐月賞馬のロブチェン。
“ダービージョッキー”の称号を勝ち取ったのは、優しさと熱いハートを併せ持つ、かわいい後輩の松山弘平騎手です。
コウヘイ、本当におめでとう!
7度目のⅤに向けて、気持ちを研ぎ澄ましていた僕とゴーイントゥスカイは、メンバー最速となる32秒8の豪脚で前を走る馬に迫りましたが、0秒1届かず4着。
ディープインパクト、コントレイルに続く、3代ダービー制覇の夢をかなえることはできませんでしたが、勝負はこれからです。充実の夏を過ごし、パワーアップした姿で、次は、父子3代菊花賞制覇を目指します。
競馬界にとって、ダービーはひとつの節目。6月13日から、函館競馬がスタートしますが、僕は阪神競馬に参戦。大注目は14日、阪神競馬場を舞台に熱い戦いが繰り広げられるラストGI、“春のグランプリレース”芝2200メートルの宝塚記念です。
このレースで最大のライバルとなるのは、25年のダービー馬で、今年の大阪杯と天皇賞(春)を連勝。歴代最多の36万6039票を獲得しファン投票1位に輝いたクロノデュワールでしょう。
一昨年のダービー馬ダノンデザイル、昨年の有馬記念を制したミュージアムマイル、昨年の有馬記念4着後、休養していたレガレイラも怖い存在です。
すべてを頭に入れ、それでも、グランプリホースの称号を手にするべく僕がコンビを組むのは、34万8698票で、ファン投票2位に選んでいただいたメイショウタバルです。