■隣人のリフォームに羨望の眼差し
しかし、ここからが“リフォーム地獄”の始まりだった。トイレの修理を行なった5年後にはリビングの壁紙がはがれ始め、クロスの張替えが必要になったのだ。
「費用はおよそ20万円。壁紙ってはがれるんだと驚いたのと同時に、一軒家の修繕には相当な費用がかかるのでは? と不安を感じ始めました」
この予感は的中する。3年前には長きにわたり自宅で活躍した国産メーカーのお風呂が寿命を迎える。この際、富田さんはリフォーム業者からこんな提案を受けたそうだ。
「屋根の外壁塗装や水回り、配管などの内部改修すべてを1000万円で提案されたのです。しかし、息子は2人とも独立していますし、この家を継ぐ人は誰もいない……。“自分もあと何年生きられるかわからないのに、そんな大金を家にかける意味があるのか……”そう考えて、思い止まりました。当然、老後の資金もあるので、風呂の交換に必要な150万円だけを支払い、提案を断りました」
マイホームの維持費用にお金が湯水のごとく消えていく。それから3年──。夏は猛暑、冬は厳しい寒さ続く日本列島。2年前にはこの気候に耐え兼ねた2軒隣の住人が「窓を二重窓にするついでに、自宅をフルリフォーム。快適な暮らしを送れている」と語るのを耳にし、羨望の眼差しを向けてしまったという富田さん。73歳になった今、快適な老後生活を送るべく自宅のリフォームに再度着手するべきなのか――。
長年住んだマイホームでの生活とお金の関係を税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)を持つ宮岡秀峰氏が解説する。