■老後のリフォーム費用の備え方を【CFPが解説】
──一軒家で暮らす場合、ローンの支払いが終わった後も外壁の塗装や水回りなどの修繕が必要になります。これらの資金をどのように準備すれば良いのでしょうか。
戸建ては、ローン完済後も「住居費ゼロ」にはなりません。外壁・屋根・給湯器・浴室・トイレ・配管などは年数とともに更新が必要で、老後にまとまった支出が来やすいのが特徴です。このため、マンションの修繕積立金と同様に、戸建についても計画的な積立を行うことが重要です。具体的には、年金生活に入る前から月2万~3万円程度を「住まい専用口座」として分けて管理し、日常の生活費とは切り離す運用が望ましいといえます。また、修繕は一度にすべて実施するのではなく、
1.安全性
2.生活維持
3.快適性
4.美観
の順に優先順位を設定し、段階的に進めることが現実的です。
老後資金を大きく減らしてまでフルリフォームするのではなく、「住み続けるために必要な工事」に絞って資金計画を立てるのが失敗しにくい考え方です。
とりわけ老後は収入が限られるため、問題が発生してから検討するのではなく、あらかじめ修繕周期に応じた資金計画を可視化しておく必要があります。目安としては、外壁は約15年周期、屋根は20年前後、水回りは15~25年程度での更新が想定されます。
なお、大規模修繕は一度に実施するのではなく、優先順位を明確にした上で段階的に行うことで、資金負担の平準化を図ることが可能です。
【記事後編】では自宅の終活に向けて絶対にリフォームするべき箇所や、老後の生活を送る上でマンションと一軒家のどちらの方が負担が少ないのかなどを宮岡秀峰氏が解説する。《【後編】はこちらから》
宮岡秀峰(みやおか・しゅうほう)
公認会計士、税理士、行政書士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)。税理士法人アクシア代表社員、アクシア公認会計士事務所代表。公認会計士として会計・財務の視点から中小企業支援に取り組むほか、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。講演や税務相談の実績も豊富で、会計・税務分野の書籍共著、雑誌寄稿も行なっている。
税理士法人アクシア 公式HP:https://axia.or.jp/