■不自然さの目立つ脚本

 考察の声をまとめると、「もっちゃん(山中)は実行犯ではない」「もっちゃんは辛島夫妻(仙道敦子/56、長江英和/67)に殺された」「小池(岸谷)は味方かもしれない」「晴子(井川遥/49)はなにか隠している」といったところだろうか。しかし、普通なら考察の盛り上がりにつれて視聴率の数字も良くなるのだが、5%台のままで凪が続いている。

 これはX上の指摘にもあるが、“不自然さ”が多々見られるからだろう。今回で言えば、もっちゃんの田鎖両親の殺害動機(まだわからないが)は、店の立ち退きとなっている。しかし、知り合いの人間を殺すほど店に執着する人はいないだろう。母とやってきた店を守りたい、だとしても、母との関係がわかる描写は少なく、説得力がない。せいぜい、母思いのいい息子というぐらいだ。

 もっちゃんの背中の火傷の痕を確認するため、兄弟がもっちゃんを銭湯に誘ってからの流れは、3人が過ごした時間を感じさせる、岡田、染谷、山中の圧巻の名演だったが、そういう細部の“不自然さ”が気になって、いまひとつドラマに入り込めなかった。『最愛』や『不適切にもほどがある!』など、練られた脚本の作品が多い、金曜ドラマらしくないことだ。

 残り2回となった本作。辛島夫婦(仙道、長江)は黒幕なのか? 小池(岸谷)と晴子(井川)は何を隠しているのか? そして、両親殺害の時効は本当に成立しているのか? まだどんでん返しがありそうで、視聴者を納得させ、なおかつ驚かせる結末となるのか注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。