■車いすラグビーをもっと見たかった…
涼(山田)の復帰とはならずとも、せめて、涼はシャークとの決勝に出られないが、圭二郎(本田)らブルズの仲間が結束して僅差で勝利。涼は人香(有村)と結ばれて……という流れになるのではと思っていたが、最終回を待たずにまさかの退場。準主役の死が、ドラマ的になんの意味があったのか、疑問だ。
全話平均視聴率が第9話の段階で7.6%と、日曜劇場らしからぬ数字に落ち込んでいる本作。冷静に見れば問題点は多い。まずは伍鉄(堤)の主人公感の薄さだろう。それをカバーするために、ポスドクの恨みを買ったり、実は昊(玉森)が息子だったりと、エピソードを盛り込んだようだが、逆にキャラがボヤケてしまった。
また、昊は車いすラグビーに触れることで、作曲への熱を取り戻すという流れだが、よく考えればブルズの成長とは関係のない別の物語で、明らかにドラマの中で浮いている。その母で伍鉄の元妻役の山口智子(61)の奔放すぎる演技が話題だったが、まさかその違和感を隠すものだったのだろうか。
さらにX上では、シンプルに車いすラグビーに焦点を当てるべきだったという声が多い。競技用車いす(通称・ラグ車)が激しくぶつかり合う試合シーンは確かに迫力満点で、本作の魅力のひとつだった。しかし中盤から車いすラグビーのシーンが減り、チームに関係ない人物の問題を絡めてきたのも疑問だ。
いっそ、山田裕貴と有村架純と本田響矢のトリプル主演で、堤真一は“チームを変える変わった人”という設定にして、スポーツドラマに徹したほうが見やすかったし、視聴者も離れなかったのではないか。最終回は涼を失ったブルズとシャークの決勝になるが、どんなオチをつけるのか気がかりだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。