東京・渋谷区では、6月1日からごみをポイ捨てした人から罰則金(過料)2000円を徴収する取り組みをスタートさせた。

「かねてより渋谷などの繁華街や京都などの観光地では、道端に放置された酒の空き缶や食品のごみ放置が問題視されていました。原因として指摘されるのはインバウンドによる外国人観光客の増加。そのため英語による注意喚起の張り紙も増えています」(全国紙社会部記者)

 ごみが散乱した目を覆いたくなる惨状に対し、SNSでは「外国人のごみ捨てマナーが悪い」と騒がれることが多い。だが、一方で外国人観光客からは「街中や駅にごみ箱がない日本こそ異常」という声も。この“ごみ箱少なすぎ問題”は日本人の間からも「どうにかしてくれ」と不満が上がっており、侃々諤々の議論が交わされているのである。

「1995年に地下鉄サリン事件が起きるまでは、日本の街角にも当たり前にごみ箱が設置されていました。とはいうものの、日本以上にテロリスクが高い諸外国でも至る所にごみ箱があるため、“安全面を考慮して”という排除理由は無理があるようにも思えます」(前同)

 では、なぜこれほどまで不便を強いるようなことになっているのか。芸人で現役のごみ清掃員としても活動するマシンガンズ・滝沢秀一氏に話を聞いた。

「結論から言うと、誰もごみに責任を持たないからです。“とりあえずごみ箱に入れておけば誰かが何とかしてくれる”と思っている人が多すぎるんですよ」(滝沢氏=以下同)

 滝沢氏は街からごみ箱が消えた背景に“日本人の無責任さ”があると看破する。

「たとえばコンビニの店外にごみ箱を出していると、使い捨ての傘を乱雑に突っ込まれたりする。コンビニだって事業ですから、お金を払って回収してもらっています。分別されていない状態だと、高いお金を出して引き取ってもらわなきゃいけない。だから最近はごみ箱を店内に置く店舗が増えましたよね。店員の目があるから適当にポイッと捨てられなくなるわけです」

 W杯やオリンピックなどで客席のごみを持ち帰る日本人のエチケット意識が称賛されることもあるが、日本の街中では自販機横のリサイクルボックスにオムツや家庭ごみをねじ込む輩も絶えない。お祭りのごみ捨て場では、喧騒に乗じて椅子などの粗大ごみが捨てられることもザラだという。

「そもそも道徳心だけの問題かという疑問もありますよね。ごみ捨てって習慣や文化ですから。たとえばインドではお茶が入っていた素焼きの陶器をそのまま地面で叩き割ったりする。他人が口をつけたものを使うのは穢らわしいこととされているからです」

 自国でポイ捨てするのが普通だった人は、日本に来ても同じ感覚で行動するのは当然だろう。

「だから入国時に飛行機のビデオで日本のごみ分別法を案内するとか、入口段階で日本のやり方をしっかり伝えたほうがいいんです。“郷に入っては郷に従え”とは言いますが、ルールをろくに教えてもいないのに“外国人はけしからん”と怒るのは間違っていますよ」