栃木県で起きた強盗殺人事件は、愛犬家にも別の意味での衝撃を与えた。侵入した犯人の少年たちは、家族を守ろうとする飼い犬を真っ先に殺害。つまり“番犬”として機能しなかったということになる。
「この場合、肝心なのは犬種です。チワワなのか土佐犬なのかで攻撃力が異なるでしょうから。この度の事件、これまでの報道では犬種が明らかになっていませんが、“白い犬”“人を見ると吠えた”といった近所住民の証言もある。いずれにせよ、防犯目的で犬を飼っている人は“飼い方”を見直す必要に迫られそうです」(全国紙社会部記者)
専門家はこの件をどう見ているのか。横須賀警察犬訓練所所長の進藤誠氏は「おそらくですが、小型犬だった可能性が高い」と被害者宅の犬種について言及。「マルチーズ、トイプードル、ポメラニアン、ダックスフンド、あるいはミックス犬のような愛玩犬だったのではないか」と予想する。
「小型犬であっても、周囲へ注意喚起するアナウンス効果は確実にあります。むしろ小型犬のほうが怖がりなので、知らない人が来るとキャンキャンうるさく吠えることが多い。ただ問題はここからで、専門家なら吠え方で異常を察知できますが、一般の方は敵意をもって吠えているのかまでは判断できないんですよね。“今日はやけにうるさいわね”で終わってしまい、“泥棒かもしれないから見に行こう”とはならないかもしれない」(進藤氏=以下同)
さらに「これが大型犬だったら話は根本から変わっていた」と進藤氏は断言する。
「大型犬だと、犬に慣れている人でもかなり警戒します。ニュースを見る限り、犯人はバールのような凶器を持っていたようですが、それを手に大型犬に向かっていけるかというと普通はなかなか難しい。小さい犬なら足元に来ても振り払うような形で攻撃できますが、大型犬だとそうはいきませんしね。その違いは非常に大きいと思います」
シェパードやドーベルマンは警察犬や警備犬として使われてきた歴史があるため、犯人に対する心理的な抑止力も働くとのこと。さらに進藤氏は、ある意外な犬種が防犯に優れていると解説する。
「ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーはお薦めできますね。フラットコーテッド・レトリーバーも含めてレトリーバー系は性格も穏やかで飼いやすいですし、大型犬として人気が高まっています」
トクリュウや闇バイトが跋扈することで日本の安全神話は崩壊しつつあるが、そんな世相を反映して進藤氏のところにも「大型犬をリースしてくれませんか」という問い合わせが来るという。犬がいる家の周辺は空き巣や車両盗難の件数が少ないのも事実なのである。