■“独身税”に対する批判が噴出
これに対し、政府も「異次元の少子化対策」を掲げ、児童手当の所得制限撤廃や、多子世帯の大学授業料無償化といった支援策を次々と打ち出しています。しかし、その財源確保のために導入される「子ども・子育て支援金」が、実質的な社会保険料の上乗せであることから、世論の反発を招いています。特に独身者や子供を持たない世帯からは、「子育て支援という名目の『独身税』ではないか」という厳しい批判が噴出。現役世代全体の可処分所得を削りながら特定の層を支援する仕組みは、世代間やライフスタイル間での分断を生むリスクを孕んでいると考えられます。
「足元の出生数が微増に転じているのは、コロナ禍で先送りされた結婚や出産の需要が一時的に噴出している反動に過ぎないとの見方もされています。政府が進める結婚・子育て支援の行方についても、給付金のバラマキに終始しており、非正規雇用の不安定さや、キャリア形成への不安といった根本的な課題解決には至っていないのが現状。独身税とも揶揄される保険料負担増は、将来的に家庭を持ちたいと願う若年層の貯蓄能力を奪うことにもなりかねず、支援が少子化を加速させるという本末転倒な事態も危惧されます。多額の予算を投じても、現役世代が『自分の負担が増えるだけ』と感じてしまえば、少子化の加速を食い止めることは困難でしょう」(生活情報サイト編集者)
2026年の出生数が最終的にどう着地するかは予断を許しませんが、丙午のジンクスは終わっても、残ったのは迷信よりも遥かに深刻な「少子化社会」という現実。次世代を育むための具体的かつ持続的な支援の実行が求められています。
戸田蒼(とだ・あおい)
トレンド現象ウォッチャー。
大手出版社でエンタメ誌やwebメディアの編集長を経てフリー。雑誌&webライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。