■真摯さにあふれる『銀河の一票』

 地味な展開の回と思っていたら、声優の日髙(白鳥)に生成AIの音声問題を語らせるという、あまりに大胆な内容。しかし、その描写はとことん丁寧で、最後はしっかり救いにつなげ、さらにAIをシンプルに悪とはせずにその活用法まで話を広げるという見事さ。そのうえ、蛍(シシド・カフカ/40)と陽太(山本弓月/8)親子のエピソードとして第5話で描かれた、「元気!勇気!花よ咲け!」のセリフを終盤に有効に絡めるという巧妙な脚本で、絶賛されるのも当然だ。

 声優の津田健次郎(54)が動画共有アプリ「TikTok」の運営会社を提訴するなど、声優の声とAIの問題はリアルに起きていること。これを日髙や梶、冨永みーな(60・声のみ)を出演させて描くというのは、声優業界をしっかりリサーチして信頼を得ているからなのだろう。ドラマの作りも含め、本作の真摯な制作姿勢には、つくづく感心する。

 とにかく問題提起するだけでなく、茉莉(黒木)が亡き母・瑠璃(本上まなみ/51)と最期に約束した「明るいほうへ、正しく、強く」からきている、《明るいほうへ行く》というテーマが、本作では徹底して貫かれているので、視聴後の満足度がハンパない。ドラマ終盤の今も支持が広がっているのは、それが理由だろう。

 次回、いよいよ選挙が始まる。X上では、流星(松下)が幹事長・星野鷹臣(坂東)を裏切って、茉莉の味方になるのではないかとの声があるが、今回、鷹臣の「(チームあかりの)4人目の副知事は?」というセリフが気になる。まさか、流星がそこに収まるオチというのはあるか? 終盤の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。