現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。
今季のメジャーで、大谷翔平以上に興奮させられたのが、ホワイトソックスの村上宗隆です。右太もも裏を痛めて5月31日に故障者リストに入りましたが、開幕からの活躍は圧巻でした。
57試合で20本塁打、41打点。日本でホームラン王だった村上がメジャーのパワーヒッターと互角に渡り合い、タイトル争いをしたんですから、野球ファンとしてワクワクしました。
今は治療に専念し、万全の状態でグラウンドに戻ってきてほしいですね。
村上が日本で三冠王を獲ったのは、私が監督4年目のシーズンでした。正直言って、手がつけられない状態で、広い甲子園でもレフト方向に右打者が引っ張ったような強烈なホームランを打たれたのを鮮明に覚えています。その点はメジャーに行っても変わりません。相変わらず右方向にも強い打球を飛ばしています。
ただ、村上は三冠王の翌年、成績がガクンと落ちました。コンディション不良やフォーム改造などの事情があったようですが、あれだけ打った選手が、ここまで崩れるのかと驚きました。
それだけに移籍1年目はメジャーの野球に慣れるのに、けっこう苦労するだろうと見ていましたが、予想は見事に覆されました。
開幕から3試合連続でアーチをかけ、好スタートを切れたのが良かったですね。間違いなく、余裕を持って打席に立てるようになったはずです。