■マイナーリーガーが努力で掴んだ夢舞台
村上の成績を見ると、三振の数が目立ちます。その一方で、ホームランと四球も多い。つまり、OPS(長打率+出塁率)が評価されるメジャーの野球に向いているんです。
もう一つ、村上に幸いしたのは、入団したのが3年連続100敗以上の弱小チーム、ホワイトソックスだったことです。そこに村上が救世主のように現れ、快進撃が始まった。チームにもファンにも受け入れられるわけです。
そのホワイトソックスには、もう一人、チームを盛り上げる日本人選手がいます。
高校卒業後、単身渡米し、オレゴン大学でプレーした西田陸浮です。2023年にドラフト11巡目(全体329位)で指名され、3シーズンをマイナ―リーグで過ごした西田。
3Aでの活躍が認められ、5月25日にメジャー初昇格。すると、走攻守にわたってキレのあるプレーで躍動しています。
168センチと小柄な西田が活躍する姿は、将来プロを目指す日本の子供たちにも夢を与えてくれるはず。
何より日本球界では見向きもされなかった選手が、メジャーの舞台にはい上がるまでには、血の滲むような努力があったはずです。
この、ひたむきな姿勢はファンの心を掴みます。
今後は西田のようにNPBを経由せず、MLBにチャレンジするケースも出てくるかもしれません。
海外移籍に関してですが、ポスティングシステムは球団によって対応がバラバラです。そろそろ球界として、一本化された制度にすべきでしょう。
選手もファンも納得できる。そんなルールが求められます。
矢野燿大(やの・あきひろ)
1968年12月6日生まれ。90年ドラフト2位で中日ドラゴンズへ入団。97年オフにトレードで阪神タイガースへ移籍すると、正捕手としてチームの躍進を支え2度のリーグ優勝に貢献。