■サッカーはあって野球中継のデータがほぼない当然すぎる理由

  この興味深いデータについて、本サイトが東京都水道局に取材を申し込んだところ、担当者がその意図を教えてくれた。

 まず、こうしたデータを保有している理由については、「局の通常業務として配水量等の変化は24時間常に監視し、適宜必要な調整をしている」(担当者、以下同)とのこと。これは、「季節や時間帯、天候などによる日々の水使用量の変動や、事故・災害等の緊急事態においても水量・水圧を適切にコントロールできるよう、常に監視をしている」からだという。

 今回、公式Xがワールドカップの日本代表の試合中の水使用量を公開した理由については、「お客様の興味関心なども考慮してHP上に掲載しています」とのことだった。

 また、過去に公開されているデータが一部はラグビー・卓球の試合などあるものの、ほとんどがサッカーの試合に偏っている理由を聞くと、「野球等は競技の特性上、サッカーほど水使用量の変化が生じない。回と回の合間などで、水を使用するタイミングが分散しやすいのでは」と、競技によって、トイレに行きやすい・行きにくい等の違いがあるのではと説明した。

 ちなみに、Xで《イベント放送時には、お客さまの水使用量が急激に変動することがあります》《東京都水道局では予め水量・水圧を調整するなど、お客さまに影響を与えないよう安定した水の供給に努めています》と投稿していたが、一斉に水を使うことで“水が届かなくなってしまう可能性”はあるのだろうか……?

 これについては、浄水を作れる“施設能力”が684万立方メートルに対し、令和6年度の1日最大配水量(水が最も使われた日)でも446万3000立方メートルという、HP上で公表されている数値を示しながら、「水の使用が集中すると水圧が下がって水が出にくくなるなどの影響が出る場合があるので、そうならないよう水圧・水量を調整しています」と教えてくれた。

 ちなみに、スポーツの試合中の使用水量のデータは、遡ると2011年のサッカーアジアカップからデータを公表している。このタイミングになったのはなぜかを聞いたが、「経緯は不明」とのことだ。

 最後になぜこうしたデータを公表しているかについて聞いた。

「サッカーとの関連づけなどを通じて、お客様に水道事業への興味を持っていただく1つのきっかけとして公表させていただいています。水は蛇口をひねれば当たり前に出てくるものではなく、そうした安定給水ができるように常に水道局の方では監視をしている、実は裏ではそういった仕事もしているというのを知っていただく、きっかけ作りのために掲載させていただいています」 

 一瞬たりとも見逃せない日本代表の熱戦はまだまだ続く!