■じっくり見れば面白い『サバ缶、宇宙へ行く』
そして、北村匠海(28)主演の『サバ缶、宇宙へ行く』(月曜よる9時~)は、福井県の水産高校の生徒たちが、世代を超えて“宇宙食開発”という大きな夢に挑戦した奇跡のような実話をもとに、青春感たっぷりに描くオリジナルストーリー。世帯視聴率の平均は第10話の段階で3.7%で、月9ドラマのワースト記録を大幅に更新しそうだ。
理由は明らかで、10話で生徒の代が5期も描かれ、2話ごとに生徒役が変わるという急ぎ足展開。出てきてはすぐいなくなってしまい、視聴者が感情移入できなかったことに尽きる。ただ、見ているうちにそれも慣れてきて、毎回、生徒の間で揉め事があり、それを乗り越えるというお決まりのパターンも、けっこう楽しめた。生徒役がコロコロ変わるのも、若手俳優のショーケースとして見れば、これも楽しい。
とはいえ、一般視聴者がそこまで若手俳優に関心があるとは思えないし、辛抱強く見続けてくれるとも思えない。熱心なドラマ好きには楽しめたかもしれないが、残念ながら広く支持されるドラマにはなれなかった。サバ缶を宇宙に飛ばすというテーマにブレはなかったし、見方を変えれば、十分、楽しめる作品だったのだが。
フジテレビはほかにも、ディーン・フジオカ(45)主演の『LOVED ONE』(水曜よる10時~)も、世帯視聴率の平均が第9話の段階で3.1%と惨敗。夏ドラマは、GACKT(52)主演の『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』(月曜よる9時~)、反町隆史(52)主演の『GTO』(月曜よる10時~)などがあるが、はたして巻き返すことができるだろうか。
(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。