かつて全国の少年たちを熱狂させたミニ四駆が、令和になってから注目を集めている。
「2024年にグランドオープンした、東京・新橋にあるタミヤのフラッグシップ拠点『TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO』に、会社帰りのサラリーマンをはじめ多くの人が押し寄せているんです」(ホビー雑誌記者)
ミニ四駆とは、言わずと知れた電池とモーターで動く自動車模型のこと。1982年の誕生以来、累計販売台数が1億9000万台を超え、発売元であるタミヤの人気商品だ。現行商品だけでも本体とパーツを合わせて200種類以上が展開している。
実はこのミニ四駆、発売から44年の間に何度かのブームを繰り返している。
「最初のブームは80年代後半に登場した“レーサーミニ四駆”ですね。タミヤのRCカーに『Jr.』と冠して発売されたモデルが人気となり、それを題材とした漫画『ラジコンボーイ』や『ダッシ!四駆郎』(どちらも連載)が人気となり、ブームを牽引しました。そして94年、『コロコロコミック』で『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の連載が始まると第2次ブームが到来します。その後、2012年にミニ四駆の日本一を決めるタミヤ公認競技会『ジャパンカップ』が復活して、第3次ブームが来ました」(前同)
そして数年前から始まった今のブームは第4次ブームと言われている。ここまで来るとブームというより文化として根づいた感じもするが、こうして人気が戻ってくるのは、なぜなのか──。
その理由を探るべく、本サイトは、タミヤ本社と同施設を取材し、話を聞いてみた。
「ブームが戻ってきた要因は、大人世代参入が大きいですね。その大人たちがミニ四駆をやるようになったきっかけは、ジャパンカップの復活でした」
こう話すのは、タミヤ営業部営業企画課課長の満園紀尚氏。
1999年にいったん休止したジャパンカップだが、2012年のミニ四駆発売30周年を機に13年ぶりに再開したのだという。実際、昨年のジャパンカップでは、出場者の7割強が大人で、中心は30〜50代なのだそう。
満園氏は、復活当時のことを、こう振り返る。
「かつて、ジャパンカップは中学生までしか出場できない大会だったんですが、復活した際に大人も参加できるようになったことで、当時憧れていた子どもたちが大人になって、その憧れが一気によみがえったんだと思います」
第1次、第2次ブームの頃の子どもが大人になって戻ってきた。それが第3次ブームなのだが、そこに、令和ならではの追い風も加わったのが、昨今の第4次ブームだ。
新橋『TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO』のスタッフ、松本健太郎氏は、こう言う。
「SNSやユーチューブの影響も大きいですね。Xや動画で改造例やパーツの使い方が発信され、それを見て再び興味を持つ方もいます。昔、ミニ四駆で遊んでいた世代が、ジャパンカップ以降でミニ四駆熱が再燃してSNSに自分のマシンをアップする。そしてそれを見た大人たちが今の盛り上がりを知り、もう一度始めるきっかけになっているようです。金曜は仕事帰りのサラリーマンの方が来られますし、土日は親子連れでコースのある部屋がいっぱいになることもあります」
第3次ブームを支えた大人たちのSNSが今、親になった多くの大人たちに影響を与え、そういった人たちが自分の子どもたちとミニ四駆の楽しさを共有するようになった──それが現在の人気につながっているのかもしれない。