日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回戸田氏が注目したのは、加熱する首都圏の中学受験の変化についてです。

 日本の教育現場、とりわけ首都圏の中学受験を巡る環境が、大きな転換期を迎えています。国語、算数、理科、社会の4教科の筆記試験で合否を測るシステムが主流とされる中、入試科目の多様化が加速。なかでも近年、新たなトレンドとなりつつあるのが「算数1教科」で合否を判定する入試形態です。

 学校側がこの入試を導入する最大の理由は、入学後の伸びしろが大きい「潜在能力の高い生徒」や「理系に強い優秀な層」を囲い込むため。暗記に頼らない「地頭の良さ」を評価することで、4教科の知識の詰め込みが間に合わなくても、突出した論理的思考力を持つ“尖った才能”を見出し、難関校への合格者数を増やして進学校としてのブランド価値を高めたい狙いがあるようです。

 また、1教科入試であれば、午前中に他校で4教科入試に臨んだ生徒も併願しやすいため、受験者数の増加も見込めます。さらに、採点時間を大幅に短縮できることから、合格発表をスピーディーに行えるというメリットもあるようです。