■これまでになかった選抜方法も
一方、こうした算数1科入試の台頭と並行して、これまでになかった選抜方法を取り入れる学校も。グラフや図表を読み解く「思考力入試」をはじめ、「英語選択型入試」、実際に作品を制作させる「プログラミング入試」、自らの経験や実績をアピールする「自己プレゼンテーション型入試」などが代表例です。
こうした流れについて、ネット上では親世代から、「4教科をまんべんなく勉強するのは小学生には負担が重すぎる」「受験の段階で社会の暗記などが追いついていなくても、算数の才能だけで評価してもらえるのはありがたい」「選択肢が増えたり、得意科目で勝負できるのはいいこと」と、歓迎する声が多く聞かれています。しかし、「入試の多様化」という耳ざわりの良い言葉の裏で、こんな厳しい現実も…。
「各種の新タイプ入試は受験生の間で実力差がつきにくく、募集人員も非常に少ない場合が多い。倍率も高いため、確実な合格を狙うのは困難です。算数1科入試についても、設問を正確に読み解く高度な論理的思考力を問う問題が多く、生半可な学力では太刀打ちできません。メディアでは『個性を重視する脱偏差値の時代』と美化して語られがちですが、受験の本質が学力競争である現実に変わりはなく、“4教科勉強しなくて済むから”という安易な考えは通用しないと認識すべきでしょう」(学習塾関係者)
激化する競争の中で、我が子にどのような教育環境を与えるべきか。数字や目新しいトレンドに惑わされることなく、学校ごとの教育方針と入試の難易度を冷静に見極める「眼」が求められています。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。