■伊藤大海から浴びたプロの洗礼と屈辱!
立石の大きな魅力は初対戦のピッチャーでも、初球からどんどん振っていけるところ。経験値の高いベテランなら、追い込まれても配球を読んで対応できます。
しかし、今の立石は積極的に振ることでプロのレベルに慣れていく時期です。ストライクと判断したら、初球からフルスイングで仕留めにいく。言うのは簡単ですが、やるのは大変です。それができるのだから、やはりモノが違います。
ただ、弱点もあります。私ならインサイドを厳しく攻めますね。事実、交流戦でも日本ハムのエース、伊藤大海と対戦するや、執拗な内角攻めに遭い4タコ。しかも三振、2つのおまけ付き。本人も“これぞプロ”というボールを、嫌というほど味わったはずです。
しかし、その後の楽天戦ではエース・早川隆久の真っすぐを捉え、三遊間を破る決勝打。ソフトバンク戦でも6月10日現在7勝で、リーグのハーラートップを走る大津亮介から2ラン。明らかに慣れてきています。
現在、「1番・サード」での出場が続く立石。サードにはテル(佐藤輝明)もいますが、立石にとっては学生時代からのポジションだけに負担がないのでしょう。結果、テル(佐藤輝明)はライトへ。テルの外野守備は打球の追い方にムダがないので安心です。
今は複数ポジションを守れるのが当たり前。特にテルのように、メジャー志向の選手はサードも外野もこなせたほうが良いでしょう。
立石が1番を打つ姿を見ると、リーグ優勝した2003年の今岡誠が重なります。あの年、1番打者の今岡は、盗塁はわずか1個でしたが、3割4分の高打率で首位打者を獲得。72打点を稼ぎ出し、勝負強さが際立ちました。
立石も、そんなスラッガーに育ってほしいものです。
矢野燿大(やの・あきひろ)
1968年12月6日生まれ。90年ドラフト2位で中日ドラゴンズへ入団。97年オフにトレードで阪神タイガースへ移籍すると、正捕手としてチームの躍進を支え2度のリーグ優勝に貢献。