■頼みの綱の“エアタグ”は……

 それまで貴重品にはエアタグというGPSを付けてたんだよ。エアタグのおかげで失くした財布も3回ぐらい見つかってるし、中身は抜かれてもカードだけは残ってたり。排水口に携帯を落としたことがあって、PCでエアタグの行方を見ていたら、ものすごい勢いで東京湾に向かって流れて行ってたこともあったよ。

 だけど今回、そのエアタグ……。俺は2つ持ってるんだけど、2つとも財布に入ってたんだから。どうしようもないね。

 俺は、いろいろあってカミさんと別居中でさ。カミさんが住んでるところすら知らないんだよ。とはいえ、カミさんは所属事務所の社長だから、週に2回は洗濯をしてくれんの。

 だから、こっそりカミさんの荷物にエアタグ入れて、見てみようかなと思ったんだけど。さすがに信用を失うだろうから止めたよ。

 子供や認知症の親に、エアタグを持たす人も多い。家族にとっては切実な問題だからね。極論言ったら、性犯罪者にはGPSをインプラントするとか。そんなことも想像できちゃう。

 ラジオで、この忘れ物の話をしたらさ、すぐにカード会社から忘れ物保険のDMが来たんだよ。

 ラジオを聞いて送ってくれたとしたら、できる営業マンだなと思うんだけど。

 実際は俺がPCや携帯で検索したアルゴリズムをたどって、AIが送ったんだろう。ちょっと怖かったね。

 そんな管理社会がいいのか悪いのか。今度から、コロコロには手錠をハメて持ち歩くことにしよう。

玉ちゃん(たまちゃん)
1967年生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入りし、翌年、水道橋博士と浅草キッドを結成。一般社団法人全日本スナック連盟会長。