■AIアナの台頭&給料も少ない……令和局アナの切実実情
ベテランのフリーアナウンサーでは元NHKの有働由美子(57)や元フジテレビの高島彩(47)が活躍中。中堅では日テレのエース・水卜アナに続くような存在だった前述の岩田アナもいるし、タレントキャスターでは『Nスタ』(TBS系)でMCを務めたホラン千秋(37)なども各番組から引っ張りだこだ。
「さらに近年はAIアナが台頭。NHKではAI音声によるナレーションが2018年から導入されていますし、『Nスタ』内でもニュース原稿の一部がAI音声で読み上げられています。AIアナは原稿を読み間違えることもないですし、原稿を入力さえすれば時間を問わず対応してくれます。ストレートニュースであれば今やAIアナで十分。AIに仕事が奪われるのではないかと恐れおののいている局アナも少なくありません。
AIが進化したとしてもスポーツ中継では、即座に対応でき、経験豊富な人間のアナウンサーが担うことになると言われていますが――民放地上波ではスポーツ中継自体が激減していますからね。プロ野球やJリーグの中継はほぼありませんし、スポーツ中継はDAZNやNetflixなどの配信サービスに移行しつつあります。このことは特に、スポーツ実況をやることを目指して入社した男性アナウンサーに影響がありますよね。
AIの進化、地上波放送の変化などに伴う活躍の場の減少に加えて――待遇面でも局アナはあまり恵まれているとは言えないんですよね」(前出の民放キー局関係者)
22年末にTBSを退社した国山ハセンアナ(35)は6月17日配信の『DIAMOND online』で退社した理由について《会社員として働き続けることに限界を感じた》《世界を変えるような大きな仕事をしたいという夢を抱いていたのですが、会社員の収入では、それを実現できるようなおカネはとても稼げません》と語っている。
「過剰に働きすぎないようテレビ各局でも働き方改革が進められていますが、それもあってアナウンサーは“残業”が少ないんですよね。番組ディレクターは打ち合わせ、長時間の編集で残業が発生しますし、報道記者も取材活動で多くの残業があります。それで少なくない残業代がつくのですが、一方でアナウンサーは、出演する番組やナレーション取りの仕事の時間は決まっています。
残業代がほぼ出ないので、同期入社のディレクターや記者に比べて、手取りがかなり少ないのが実情なんです。にもかかわらず、顔が知られていてタレントのように街で見られたりもする。ですから特に女子アナは常に綺麗にしておかないといけませんし、美容やファッションにもお金がかかる。
同期と比べて稼げないのに、出費は多い。さらに、フリーアナとは違い会社員ですから自由度もなく、基本的に副業も認められていない。そのあたりも退社するアナウンサーが相次いでいる要因の1つだと言われていますね。
フジテレビは昨年の騒動があったから退社するアナウンサーが続出しているという側面はあるでしょうが、他局も同様の流れにあり、今後もそれは続くと見られていますね」(前同)
変容するテレビ界。そのなかで、局アナにも変化が起きているようだ――。