FIFAワールドカップ2026のおかげで世間はサッカーの話題で持ちきりだが、プロ野球も負けてはいない。
とりわけ、順位変動の激しい交流戦を経て、上位3強がほとんどゲーム差なしで並んだ“セ界”では、世界を熱狂させるワールドカップにも負けず劣らぬ熱い戦いが繰り広げられている。
しかも、そんな“セ界”の主役たる巨人・阪神・ヤクルトは、図らずも亡き名将・野村克也氏ゆかりの指揮官3人による三つ巴。絶対に負けられない戦いが、ここにもある!
まずは、阿部慎之助前監督(47)の逮捕&辞任(その後、不起訴)という突然の騒動に揺れた巨人から。
「開幕前の下馬評は、圧倒的に阪神。多くの識者が昨季以上の独走もありうると見ていた。そこから考えると、この展開は我々取材する側にもありがたい。
巨人などは“雨”ならぬ、“アベ降って地固まる”といったところでしょう」(スポーツ紙デスク)
交流戦では、橋上秀樹監督代行(60)の“初陣”となったソフトバンク戦こそ負け越したものの、6月以降は一転して好調をキープ。最終的には10勝6敗2分で、貯金は4増。セ・リーグ唯一の勝ち越しを決めて、単独首位にも浮上した。
巨人でヘッドコーチも務めた伊原春樹氏が言う。
「もともと後ろはそろっていたから、先発陣がここへきて、しっかり役目を果たせるようになったのが大きい。復活の戸郷翔征(26)はもちろん、則本昂大(35)も続けて結果を出したしね」
実際、交流戦では10勝のうち、実に8試合で先発投手に白星が付いている。
マルティネス(29)&大勢(26)を擁する勝ちパターンに、“7回の男”として田中瑛斗(26)が定着しているのも強みだろう。
前出の伊原氏は「だから、あとは打線がいかに点を取るかだ」と続ける。
「橋上とすれば、打撃でそれなりに期待のできる大城卓三(33)、岸田行倫(29)が、いずれも捕手というのが悩みの種だろう。
ここまで捕手専念の大城の起用をどうするのか。得点力アップを優先するなら、彼を一塁手にして、同時に使いたいところだけどね」
そこは、ヤクルト、阪神、楽天の3球団で、延べ12年にわたって、野村監督の教えを受けてきた“正統後継者”である橋上代行にとっても、手腕の見せどころだろう。
当人の口ぶりは、「阿部前監督が投手陣の補強に全力を傾けた成果だ」と、あくまで謙虚だが、同じく監督経験者の伊原氏は「やる以上は、橋上にも野心はあるはず」と、こうも言う。
「数いるプロOBの中でも、その年、采配を振れるのはたった12人。たとえ降って湧いた話だとしても、そんな貴重な機会が巡ってきたら、野球人として燃えないわけはないからね」