■絶賛される“井上和の強み”とは――

 一方で、井上は俳優としてはまだこれからという感じだ。これまで彼女は、24年4月に『乃木坂46”5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』で主人公・セーラームーン/月野うさぎ役を演じたり、子ども向けアニメ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(NHK Eテレ)で複数回ゲスト声優をしたことはあるが、俳優として映像作品に出演したのは、25年3月放送の単発ドラマ『スプリング!』(テレビ朝日系)で主演を務めたのみ。

 それでも井上は『豊臣兄弟!』に、1600人以上が参加したオーディションを勝ち抜いて茶々役に抜擢されたのだ。作品を担当する高橋優香子プロデューサーによれば、「年齢以上の落ち着きと妖艶さ」が起用の決め手になったという。

 アイドル誌ライターは言う。

「井上さんは乃木坂46のエース的な、グループを牽引する立場にいる人です。『セーラームーン』のミュージカルが絶賛され、センターを務めていることにもつながるでしょうが、彼女は、歌唱力が圧倒的なんです。透明感のある声質も高く評価されていますから、それも今回の『豊臣兄弟!』の茶々役抜擢に影響したところはあるかもしれません」

 井上は前述のミュージカル主演やアニメのゲスト声優、さらに今年公開のアニメ映画『トイ・ストーリー5』(7月3日公開予定)での吹き替えデビューなど、声を生かした仕事が多い印象も受ける。

 そして映像での芝居も、前述のドラマ『スプリング!』では、目の動きなどで感情を表現する演技を披露。当時、ドラマを見た視聴者からは“初ドラマとは思えなかった”という声も多く出ていた。

 そんな井上が所属する乃木坂46には、OGも含めて俳優として活躍しているメンバーも多い。井上は昨年3月21日配信の『リアルサウンド』のインタビューで《演技面で、乃木坂46で目標にしてる人》を聞かれた際、《正直、本当に全員なんです(笑)。いろんな先輩方が演技のお仕事をされていて、舞台があれば毎回観に行っています》と前置きしたうえで、久保史緒里(24)と、卒業生の山下美月(26)の2名を挙げていた。

 ちなみに久保は、2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』に織田信長の長女・五徳役で出演。井上より先に、大河デビューを果たしている。

 井上は茶々役で『豊臣兄弟!』に出演すると発表された今年4月、

《私はまだ演技経験も浅く、茶々という人物を演じることに対して不安もあるのですが、同時にこのような機会に胸が躍る私もいます。

 激動の時代を激しく生きたこの茶々という女性の魅力を私なりに引き出せるよう、精一杯演じたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします》

 と、コメントしている。物語はすでに折り返し地点を迎えているが、井上演じる茶々の活躍には大注目だろう。