現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。
今季も交流戦はパ・リーグの圧勝でした。パ・リーグが65勝、セ・リーグが39勝。パ・リーグの勝ち越しは26となり、これは新記録だそうです。
なぜ、これほど差がついたのか。その理由にはさまざまな意見がありますが、私の目にはパ・リーグは、どの球団の選手もふだんと変わらない野球をやっているように映りました。簡単にいえば、ピッチャーは強く、速いボールを投げ込み、バッターはそれをフルスイングして、1球で仕留めようとする野球です。
一方、セ・リーグは、多くのバッターが配球を読み、ポイントを体に近づけ、ねちっこく打っていくというバッティングスタイルです。
これは変化球中心のピッチャーには有効ですが、パ・リーグのパワー系のピッチャーには通用しません。事実、ファウルで粘るうちに、いつの間にか追い込まれ、凡打や三振に終わるケースが目立ちました。
つまり、パ・リーグが、いつも通りの野球をしたのに対し、セ・リーグはふだんとは違う野球への対応を強いられ、戸惑っているうちに交流戦が終わってしまったという印象です。