■障害が多すぎる『風、薫る』

 看護婦の勉強に苦戦するすツヤ(東野)に寄り添ったり、学生・ヒデ(池田)と衝突しながら、りん(見上)はあらためて看護について考える。さらに、看護師の待遇問題が出てきたり、看病師との関係の変化が見えたりと、横道にそれることなく、ようやく看護師として生きていく本来の物語が楽しめた。

 しかし、不安要素もある。りんが病院で奮闘している間、初めての小説を読んでもらおうと、団子屋で待ち続けていたシマケン(佐野)だ。もともと好意的な声は少なかったが、今週は《この3日間ほどシマケンが気持ち悪い》という声も出始めている。せっかくの盛り上がりに、シマケンが水を差す存在になってしまっているのだ。

 不安要素はもう一つ、不安定な放送日程だ。木曜日は地震のため総合テレビで午前8時から放送予定だった第64回が休止。金曜日もワールドカップ中継のため第65回が休止で、土曜日の午前8時から64回、65回とまとめての放送となった。これで視聴習慣が崩れ、13%台に低迷している平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)がさらに下がりそうだ。

 日本代表はスウェーデンと1対1で引き分け、グループ2位で決勝トーナメント進出が決定。まだまだワールドカップ旋風が吹き荒れそうだ。1回戦の相手はブラジルで、試合は6月30日(火曜日)の午前2時からの予定だが、結果次第では『風、薫る』が吹き飛ばされてしまう可能性が高い。

 朝ドラの視聴率ワーストは、橋本環奈(27)主演の24年度後期『おむすび』で、期間内平均世帯視聴率が13.1%。その中でも、天皇誕生日の振替休日の2月24日と春分の日の3月20日は、10.7%と番組最低だった。6月29日から第14週「ウソと誠」が放送されるが、それを超える数字を記録してしまうかもしれない。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。