日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、金銭的な負担が家庭を直撃しているという「ブラック部活」問題についてです。

 日本の教育現場で長年議論が続いている「ブラック部活」の問題。生徒への強制参加や厳しいルール、そして顧問を務める教員が土日も休めずに長時間労働を強いられる過酷な実態は、働き方改革の波とともに強い批判を浴びてきました。

 これら、教員の負担軽減と少子化による部員不足への対策として、国が主導して進めているのが、部活動の運営を学校から地域のスポーツクラブや民間団体へと移行させる「地域移行」の取り組みです。

 国の計画では、2023年から2025年までを「改革推進期間」と位置づけ、休日の部活動から段階的に地域移行を進める方針が示されましたが、この持続可能なスポーツ環境を目指したはずの国策が今、現場に新たな問題をもたらしています。

 教員の過重労働という部分を解消しようと民間委託を進めた結果、浮き彫りになってきたのが、部活が月謝制の「習い事」のようになっている現実。民間クラブの運営には指導者への謝礼や施設の利用料、組織の維持費などが不可欠なため、どうしても保護者に対して毎月の月謝という形で経済的な負担が発生します。これにより、家庭の経済力が子供のスポーツ機会を左右するという、新たな格差が生まれ始めています。

 ネット上でも、《上の子の時は年間数千円の部費だけで済んだのに、下の子の地域クラブは月謝だけで毎月1万円近く請求されて驚いた》《月謝以外に遠征費や指定のユニフォーム代まで上乗せされると、経済的に苦しい家庭の子は退部せざるを得ないのが現実》《子供にスポーツをさせるだけで親の年収が試されるような時代になるなんて、あまりにも不条理ではないか》といった困惑の声が上がっています。